日本製紙グループの日本製紙クレシア(東京都千代田区)は20日、ティッシュペーパーとしても使える低価格マスクなどを近く発売し、マスク市場へ参入する、と発表した。大王製紙も10月から販売に乗り出しており、新型インフルエンザの感染が拡大し、予防意識が高まるなか、製紙各社はマスクやティッシュを中心にインフル対策商品の品ぞろえを拡充し、新たな収益源に育てる考えだ。
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日本製紙クレシアの低価格マスクは、ティッシュと同じ素材を使い、製造ラインも一部共通化してコストをおさえた。そのため、不織布を使った一般的な使い捨てマスクが1枚20円以上するのに対して、想定価格は24枚入りで300円前後と、大幅に安くなった。
耳かけをクリップで取り外せ、使い終わった後は残りの部分をティッシュとして使える点も経済的だ。
厚さをティッシュの2~3倍にして耐久性を向上。顔にフィットするよう折り目をつけるなど、使い勝手にも配慮した。「一般的な使い捨てマスクは毎日使うには価格が高く、1枚を長く使うと非衛生的」として、低価格品のニーズを掘り起こす。
このほか、ディズニーキャラクターなどの絵柄をプリントした不織布マスクや、抗菌効果のある成分を配合した3枚重ねのティッシュ、手洗い後に使う紙製ハンドタオルなども投入し、販売面での相乗効果を狙う。
製紙会社は、大王製紙も10月下旬に4商品を発売し、市場参入した。うち1商品は、ティッシュに採用しているメントール成分を配合。清涼感があり、着用時に息苦しくない点を消費者にアピールしていく。
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【予報図】
■インフル需要 相乗効果狙う
製紙業界は、景気悪化に伴う深刻な紙需要の低迷に苦しんでいる。そんな中、需要が急拡大し、ティッシュの販路や製造ノウハウを生かせるマスクは、売り上げの底上げが期待できる数少ない有望商品といえる。
マスク単体の売上額は小さくても、それ以外の新型インフルエンザ対策商品や衛生用品の品ぞろえを広げれば、相乗効果により販売の底上げにつながり、売り上げの貢献度も大きくなる。ティッシュの有力メーカーである日本製紙クレシアと大王製紙にとって、マスク市場参入は「(合わせて買ってもらうことで)ティッシュの販売拡大も見込める」(芳賀義雄・日本製紙グループ本社社長)。
一方、ティッシュで日本製紙クレシア、大王と並び3強の一角を占める王子製紙子会社の王子ネピア(東京都中央区)は、今のところマスク市場に参入していない。しかし、中長期的にも紙需要の拡大が期待できないなか、今後は同社を含め、インフル対策分野を強化する動きが加速しそうだ




