東京・銀座の時計・貴金属店「天賞堂銀座本店」から高級腕時計など約200点(3億円相当)が盗まれた事件で、犯人は穴を開けやすい排気口部分の壁をくりぬいて店内に侵入していたことが店関係者の話で分かった。警視庁築地署は、犯人が客を装うなどして店内を下見していた可能性があるとみて、不審な人物が入店していなかったか捜査している。
築地署は、犯人は鉄筋コンクリート製の外壁に約60センチ四方の穴を開けた後、石こうボード製の内壁を破って地下1階の腕時計売り場に侵入したとみて捜査している。
店関係者によると、内壁の穴は縦約50センチ、横約80センチだったが、排気口の穴を広げる形で内壁が壊されていたという。穴は1階から地下1階に通じる階段の約1メートル上にあり、穴をくぐれば階段で容易に地下1階に侵入できる位置だった。
地下1階の防犯カメラには店内を荒らす2人組が映っていたが、2人組は2日午前4時50分ごろから約1時間にわたり、懐中電灯で照らしながら店内を物色する様子が録画されていたという。
また、地下1階の約20個のショーケースのうち、赤外線センサーが利く売り場奥側のケースは壊されていなかった。築地署は犯人がセンサーの位置を事前に把握していた可能性が高いとみている。