いったい誰が手にするのか。市橋逮捕の有力情報提供者に渡る総額1000万円もの「捜査特別報奨金」。すでに警察庁が手続きを開始。07年5月の制度スタート後の初支給とあって、ますます懸賞金の行方に注目が集まりそうだ。
懸賞金は、千葉県警が貢献の度合いに応じて、該当者を警察庁に推薦。警察庁内の「審査委員会」の判断を経て、支払われる。有力提供者が複数いれば、貢献度に応じて支払額は分割される。
現時点で(1)大阪・南港で通報したフェリー会社社員(2)整形手術をした名古屋市内のクリニック関係者(3)別人になりすまして1年2カ月間、潜伏していた大阪府茨木市の建設会社関係者――らが有力候補。関係者の間では「フェリーの社員が400万円、クリニックと建設会社の関係者が300万円ずつ」などの予想が飛び交っているが、場合によっては、トラブルの種になる。
「南港の社員の通報には、市橋が直前に訪れた神戸港で『似ている』と感じた同じ会社の社員の『そっちに行くぞ』という連絡が大きく寄与した。仮に直接の情報提供者だからと、南港の社員にだけカネが送られれば、気まずい関係になりかねません。会社への一括支給も可能ですが、その場合も取り分をめぐって社内がギスギスするだけです」(警察庁事情通)
97年、時効寸前に逃走劇を終えた福田和子の逮捕の際も、愛媛県警察協会が独自に懸賞金100万円を用意。逮捕に直結した情報提供者として、和子が通った、おでん屋の女将が懸賞金を手にしたが……。
「その後の嫌がらせがヒドかった。おでん屋には『そんなにカネが欲しかったのか』『水商売の人間が客を売るんか』と1日数十件のイタズラ電話が相次いだのです。弱り果てた女将は結局、受け取った金を日本テレビの『24時間テレビ』に寄付しました」(当時を知る関係者)
凶悪犯を通報して、嫌がらせに次ぐ嫌がらせにあうとは……。この民度の低さでは、日本に懸賞金制度は馴染まない。
