鳩山政権内で権限を強めている民主党の小沢幹事長が、超党派の議員で構成される議員連盟の活動にも民主党幹事長室の関与を強める方針を打ち出した。
新たな権限集中策とも受け止められ、「息が詰まりそうだ」という声も漏れている。
◆管理◆ 議連への関与強化の方針が示されたのは10月26日のことだった。
小沢氏は副幹事長らを集めた会議で「国際親善などの議連の会長を野党が務めても、先方は困るだろう」と語った。出席者は「会長ポストを取ってこいという指令だと受け止めた。自民党が渋るなら、新しい議連を作れということだろう」と打ち明ける。実際、小沢氏は各種議連のリストアップを周辺に指示し、今後は会長交代や議連新設時に報告を求める構えだ。
民主党幹事長室の権限は日増しに強まっている。2日には地方自治体など各方面からの陳情の窓口を幹事長室に一元化することも正式に決めたところだ。
陳情改革の狙いについて小沢氏は10月29日夜、首相官邸近くのそば屋で幹事長室のメンバーらに「政務三役が仕事に集中できるよう党が支えないといけない」と説明している。閣僚、副大臣、政務官が陳情対応に忙殺されず、「自民党政権のように、族議員と官僚の間で不透明な政策調整が行われなくなる」というわけだ。地方組織の頭越しに族議員に陳情できなければ、組織や議員の地元での発言力強化にもつながる。小沢氏に近い議員は「政務三役の代理のつもりで陳情を受けてほしい。単なる『陳情取り次ぎ屋』になるな」と小沢氏から助言された。
ただ、副幹事長それぞれがどれだけ裁量権を持てるかとなると、疑問の声も出ている。小沢氏の「管理」が厳しいからだ。
例えば、小沢氏は副幹事長らに「国会の会期中は国会内の幹事長室にたむろしろ」と指示した。情報交換を密にする狙いだが、幹事長室に置かれた副幹事長らの連絡用ノートが「立ち寄った証拠に名前だけ書く人もいて、内容より書くことに意味がある『交換日記』と呼ばれている」(関係者)というほど、空気は重い。
◆理念◆ 小沢氏への集権は政府・与党一元化でもたらされている面がある。政策立案は政府に一元化するといいながら、実際の意思決定は小沢氏の意向を無視して進められないのが実態で、国会改革、陳情改革などによって、その状況が名実ともに堅固になっている。
政府・与党一元化について、小沢氏は2日の記者会見で「諸君も、今までのパターンになじんできたから頭の転換ができていないんだ。(与党の)政調と政府という使い分けの頭が抜けきらないんだよ。しょせん、役人の手のひらじゃない」と語った。自民党政権が与党の立場と政府の立場を都合よく使い分けたことが、結局は官僚主導の政治をもたらしたとの考え方だ。
