相思相愛実った! プロ野球のドラフト会議が29日、東京都内で開催され、福岡ソフトバンクは大分・明豊高の今宮健太内野手(18)を1位で単独指名した。岩手・花巻東高の超高校級左腕・菊池雄星(18)には6球団が競合したが、今宮の1位指名の方針を固めていた秋山ホークスは狙い通りの「一本釣り」に成功。高校通算62本塁打の強打と驚異の身体能力を誇る九州の「小さな巨人」は、いきなり3000安打を目標に掲げた。
■「鳥肌立った」
武者震いが止まらなかった。運命の10・29ドラフト。6球団競合の菊池に目もくれず、秋山ホークスは「小さな巨人」を単独指名した。「菊池君かも、と思っていた。自分の名前を見て、ゾクッと鳥肌が立ちました」。大分県ではテレビ中継がなく、中継車のモニターで名前を見つけた。
相思相愛の悲願成就となった。幼少からあこがれてきたユニホームに袖を通す。「地元九州で活躍したかった。1位は最高の形。小さい身体で申し訳ないけど、小さな巨人と呼ばれるようになりたい」。あこがれはヤフードームで応援した井口資仁(ロッテ)や、走攻守そろった松井稼頭央(アストロズ)。1軍デビューへ「死に物狂いで頑張る」と繰り返した。
菊池に日米球界の注目が集まる中、ホークスのドラフト戦略のキーマンだった。高校生野手の獲得を目指す球団は、夏場以降は高校通算62本塁打を誇る今宮の1位指名の方針を固め、調査を進めてきた。センターラインの強化を重視する秋山監督も「競合せずに取れたことが一番大きい。小柄だけど運動能力、身体能力が高く、150キロ以上の球を投げる肩の強さもある。いい内野手になれる」と期待した。
■「ポスト川崎」
「ポスト川崎」の期待も背負う。来季29歳となる正遊撃手は、順当なら来季にも国内FA権を取得する。「川崎さんを追い抜く気持ちで、いろんなことを盗みたい」。掲げた壮大な夢は3000本安打。「大口をたたいてバカバカしいと思われるかもしれないが、高い目標を置かないと成長できない」。冷静な18歳は周囲の祝福ムードにも浮かれることはない。
今年の甲子園では、春夏ともに西武1位指名の菊池に敗れた。「菊池雄星には高校で完ぺきにやられた。彼を打つのはプロでの目標の一つ」と対戦を熱望した。甲子園では6打数1安打にねじ伏せられたが、秋山監督は「(菊池も)同じリーグでどう成長するか。野手は対戦するわけだし、パ・リーグがまた盛り上がる」と、プロでのリベンジを楽しみにした。
2日前に阪神入団が決まった城島は、高校の大先輩。15年前に同じドラフト1位でホークスに入団すると、強肩強打を武器にチームを日本一に導いた。「同じチームになれず残念ですが、日本球界に復帰されてうれしい。対戦して盗塁を決めたい」。菊池と新たなライバルストーリーを繰り広げながら、常勝ホークスの看板を背負う男になる。
