●佐藤浩市ら豪華キャストの熱い人間模様が見もの
いまひとつパンチに欠ける夏ドラマで、本気を出しているのが「官僚たちの夏」(TBS)だ。
豪華キャストを起用して、高度経済成長期の陰で奮闘する通産省官僚を描く。部局間の軋轢(あつれき)や官民協働など人と人とのぶつかり合いから生まれる熱さに引き込まれる。セットや衣装に時代が表れているし、造りかけの東京タワーなど映像上も近い過去を違和感なく再現している。昭和30年代への回顧志向も取り込みつつ、輝ける日本人の再発見で、自信を失っている世の中に活力を、という狙いだろう。スキのない構築には恐れ入るが、あまりに役人を美化する点は霞が関から“指導”があったのか? と勘繰りたくなるが。
●クレーム処理係のミムラがいい味
一方で喜ばしいのはオリジナル脚本が増えたことか。「コールセンターの恋人」(テレビ朝日)は「ハケンの品格」の中園ミホが得意のお仕事もので、筆を振るう。これまでの中園作品では、あり得ない設定を着地させる演出力に難があったが、今回は物語の展開やキャラクター設定の密度が高まり、いい感じだ。無表情な、クレーム処理の達人・ミムラは2代目篠原涼子襲名で。
●芯が強い肉食系女を楽しむなら「ブザー・ビート」
今期は男性の主役が多いが、やはりドラマは女性が輝かないと。バスケ選手と音大卒フリーターの恋物語「ブザー・ビート」(フジテレビ)で描かれるのは、ラブシーンよりも、その過程。世渡り下手でも芯は曲げない主人公の北川景子と、その親友で、おばちゃんのように世話を焼く貫地谷しほり。おじさん受けする2人のリアルであけすけなトークに女性は共感するが、男性は幻滅するんだろうな。ライバルで、裏表の激しい肉食系女子役に挑む相武紗季のワルい表情にも注目。
ノリとビジュアルを楽しみたいなら「メイド刑事」(テレビ朝日)がおすすめだ。セーラー服をメイド服に、桜の代紋入りヨーヨーをブローチに替え、往年の「スケバン刑事」をまんま踏襲した作りに、懐かしさと、お約束に乗る快感を覚えてしまう。福田沙紀のコスプレと、掃除道具を使った体当たりアクションも見どころ。
視聴率なんか気にせずに、“大人”の楽しみ方で、どうぞ。