俳優、窪塚洋介(30)がレゲエアーティスト、卍(まんじ)ラインとして、2004年6月の転落事故について歌うことが16日、分かった。8月5日発売のセカンドアルバム「VORTEX」の収録曲「IKIRO」。「とにかく生きろ、オレも生きてる」と歌う強烈なメッセージソングだ。サンケイスポーツの取材に「自分の魂の声を聞かせるには避けて通れない。これはオレにしか歌えない」と語った。
【写真で見る】笑顔で“あのこと”を語った窪塚洋介
“あのこと”を表現するには、5年の歳月が必要だった。
♪ 死ぬまで生きろ、生きてりゃいいことあるぜ…生きろ、生きろ、生きろ…。レゲエの軽やかなリズムに乗って発せられる直球の言葉たち。地獄を見た男の魂の叫びだ。
これまで転落事故について沈黙を貫いてきた。
「だって、自分でなんで落っこったのかわかってないんだもの。それを歌にするのは難しかったけど…。だったら、そのまま歌っちゃえばいいやって。♪ 何が起こった、この有様、理解できねえ事実が残った~とかさ」
昨年6月にインディーズからデビュー。知名度を利用したプロモーションを避け、自ら「現場」と称するライブハウスで地道に活動してきた。
自分の思いが歌で伝わる-。少しずつ手ごたえを感じながら、「歌は生活の中から出てくるもの。自分自身のこと、自分の魂を聞かせるときに、やっぱり、避けて通れない」と思い始めた。
昨年末から年初にかけ詞を書き上げた。サビの「生きろ」はすぐ出てきた。「落っこった後、本当にエグかった。しんどかったんですよ。真っ暗闇で救いがなくて。だけど生きていかなきゃならない。どうせ生きるなら楽しい方がいい」
事故で去っていった人も、失った仕事も多い。「誰にでも、うそでもいいから『必ずうまくいくぜ』って言葉が必要な時がある。エグイやつ、撃沈しているやつに聞いて欲しいっていうか、この歌が必要だと思う。捨てたもんじゃねえぞ、オレ抜けられたぞ、って」
支えになったのは、収録曲「My Son My Sun」に描いた来年小学生になる息子(5)をはじめ、妻(28)や家族、仲間たちだった。
「家族、友達、音楽、仕事。本当に大切なものは近くにあるもんだったって、わかったんだ」
「生きている」ことのありがたみを誰よりも感じながら、窪塚は今、全国の“現場”に立っている。