東京都議会議員選挙(定数127)が12日、投開票される。
麻生首相はこの結果を踏まえ、衆院解散の時期を最終判断する考えだ。首相は8月上旬の衆院選投開票を念頭に早い時期の解散を探る構えで、都議選で与党が過半数(64議席以上)を確保すれば、与党内の強い先送り論を抑えて首相が早期解散に踏み切る可能性が出てくる。逆に過半数を割り込めば、自民党で「麻生降ろし」の動きが広がるのは確実で、都議選の結果は今後の政治情勢に直結することになる。
イタリアでの主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)出席を終えた首相は11日夕、日航チャーター機で羽田空港に到着、帰国した。同日夜には、首相公邸で河村官房長官と50分間会談し、「都議選と国政と直接関係はない」と述べて、自らの手で衆院を解散することに強い意欲を示した。河村氏は、解散先送りを求める声が強いことなど、与党内の情勢を報告し、首相は「聞いている」と応じた。
首相は、自民党麻生派の中馬弘毅座長、同派の森法相とも会談した。中馬氏が「重要法案を上げたら解散ですね」と述べると、首相は「そうだ」とうなずいた。
さらに、首相を支持する武田良太防衛政務官が首相を訪ね、「総理・総裁としての責任を全うし、堂々と解散してほしい」と伝えたのに対し、首相は「(総裁選前倒しなどで)自民党は姑息(こそく)な政党だと国民に思われることは絶対あってはならない。自分の責任は全うするし、自分で何をなすべきかは分かっている」と答えた。
重要法案のうち、臓器移植法改正案は、13日の参院本会議で採決される予定だ。一方、北朝鮮貨物検査特別措置法案の処理は今月下旬までかかる見通しだ。
首相は、サミット出発直前の6日に、親しい自民党議員に「帰ってきたらやるぞ」と述べており、臓器移植法改正案の処理を終えたうえで14日にも解散に踏み切りたい考えとみられる。
都議選で与党が過半数を獲得すれば、早期解散の可能性が強まってくる。首相周辺では「仮に過半数を少々割り込んでも、『麻生降ろし』が激化する前に、間髪入れずに解散に踏み切るべきだ」という声もある。
この場合、投開票日は「8月8日」土曜日を軸に、「同9日」も検討されることになる。当初模索した「8月2日」は、準備期間が足りず、見送られる方向だ。
これに対し、自民党では、内閣支持率が低迷する中、解散は28日の今国会の会期末まで先送りし、衆院選も8月末以降とするよう求める声が強い。公明党も、都議選と衆院選の間をあけるべきだとして、8月上旬の投開票に強く反対している。
都議選で敗北したにもかかわらず、首相が解散に踏み切ろうとすれば、与党内の反発が強まるのは間違いない。自民党では、「首相が解散しようとしても、閣議で公明党の斉藤環境相や自民党の複数の閣僚が必ず署名を拒否する。身をひくのが一番良い」(首相経験者)として、首相の自発的退陣を求める声も出ている。