経営破綻(はたん)した英会話学校「NOVA」の社員らの積立金3億2千万円を横領したとして、業務上横領罪に問われた元社長、猿橋望被告(57)の論告求刑公判が3日、大阪地裁(樋口裕晃裁判長)で開かれた。検察側は「経営破綻に陥るや社友会代表の立場を悪用して積立金を横領した刑事責任は重大」として懲役5年を求刑、弁護側は無罪を主張して結審した。判決は8月26日。
猿橋被告は最終意見陳述で「最後まで頑張ってくれた社員と倒産で多大な迷惑をおかけした生徒に改めて深くおわびする」と謝罪。また、「本件はすべて私の責任。今後、被害弁済のためできる限りの努力をする」と話した。
検察側は論告で、「NOVAの資金はすでに枯渇しており、積立金で生徒への解約返戻金を支払っても資金繰りが劇的に好転することはなく、返金の見通しもなかった」と指摘。また、「適切な時期に法的整理するなどの経営判断が求められていたのに、思い入れから一時的な延命を図ろうとした動機に酌量の余地はない」と指弾した。
一方、弁護側は「解約返戻金の支払いは先延ばしできず、当時の極限的状況と取らざるを得ない行動を順に追ってみれば、横領の意思はなかった」と主張。
また、「自ら資金を投げ出して、社員に対して被害額以上の給与を支払った」として、有罪の場合でも執行猶予付きの判決を求めた。