気象庁は「ゲリラ豪雨」の予測精度向上に向け、局地的な集中豪雨を引き起こす積乱雲の発生の兆候をいち早くつかむことができるシステムを開発した。GPS(全地球測位システム)のデータから空気中の水蒸気量を割り出し、雲の発生状況を予測する仕組みで、早ければ今秋にも運用を開始する。GPSを気象予測に活用するのは初めて。
気象庁によると、約30基あるGPS用人工衛星から出された電波は、空気中の水蒸気が多いほど地表に到達するまでの時間が長くなる。システムはまず、この関係を利用。国土地理院が地殻変動の調査用に全国約1200カ所に設置しているGPS受信機のデータから、各地点で電波の到達時間の遅れを求め、それを基に大気中の水蒸気量の分布状況を割り出す。
さらにスーパーコンピューターで天気を予測する「数値予報」の初期データに、求めた水蒸気のデータを入力。積乱雲が発達する時間と場所を予想する。
この手法は、気象庁気象研究所(茨城県つくば市)などが97年から研究を開始。これまでの約10例のゲリラ豪雨などを対象に、発生時のデータを使って予測実験をしたところ、実用可能な精度があることが分かった。
昨年7月28日に神戸市で5人が死亡した集中豪雨の際のデータを使った実験では、大雨が降り出す約1時間前には現場付近の豪雨を予測できたという。気象庁は当時、豪雨を全く予測できなかっ た。