衆院の任期満了が3カ月後に迫る中、フジテレビの「新報道2001」が毎週実施する首都圏世論調査(500人対象)で、民主党支持率が過去5年間で最高値を記録する一方、自民党支持率は長期低迷傾向に歯止めがかからない実態が浮き彫りになった。民主党のスローガンである「政権交代」が国民に浸透しつつあることを示しており、今後もこの傾向が続けば、自民党が下野する公算が大きい。「政権政党の矜持(きょうじ)」を掲げる麻生太郎首相だが、日本郵政の社長人事などで迷走が続き、内閣支持率も頭打ち状態。首相に起死回生の秘策はあるのか。(石橋文登、坂井広志)
[グラフでチェック] 民主ジワジワ…小泉~麻生政権の支持率等の推移
≪「一度やらせろ」≫
「民主党の鳩山由紀夫代表は『政権交代』と盛んに言っているが、政権交代は手段であり目的ではない。政権交代で何をやるのか。今後も引き続き党首討論を求め、財源の裏付けや安全保障政策などで違いを明確にしていきたい」
8日昼、首相は首相官邸で開かれた政府与党連絡会議でこう述べ、次期衆院選に向け、税財政や安全保障を争点にしていく考えを重ねて表明した。
だが、首相の意気込みは、「政権交代」という言葉への恐怖の表れといえる。与党が民主党の個々の政策をどう批判しても「一度政権をやらせてみないと分からないではないか」と抗弁できるからだ。
国民の政権交代への期待が年々上昇傾向にあることは、新報道2001の調査でも如実に表れた。
郵政解散で空前の人気を誇った小泉純一郎元首相が平成18年9月に退陣後、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎-と3人の首相がほぼ1年ごとに交代したが、交代直後に内閣支持率、自民党支持率ともにいったん急上昇するが、その後ジワジワと低迷する傾向にある。
しかも、それぞれの政権の内閣支持率のピークは、安倍内閣が67・0%(18年9月28日)、福田内閣が56・4%(19年11月1日)、麻生内閣が47・2%(20年9月25日)と次第に低下。もはや首相の交代では支持率上昇は期待できないことを示している。
≪民主はホクホク≫
自民党支持率も同様に長期低落傾向にある。安倍内閣でのピークは37・4%(18年9月28日)、福田内閣は27・6%(19年11月8日)、麻生内閣は28・4%(20年9月25日)-と頭打ちとなっており、今年1月22日には過去5年間で最低の13・4%を記録した。
一方、民主党支持率は長期上昇傾向にある。小泉、安倍両政権では20%を切ることもしばしばだったが、福田政権以降は20%以上を常に保ち、20年12月11日に39・2%、21年5月21日に38・2%-と、郵政解散直後の自民党に匹敵する高支持率を得ている。
首都圏調査は全国調査の先行指標といわれているだけに自民党選対本部の受け止めは深刻だ。ある選対幹部は「もはやこれまでの実績を訴えるだけでは政権交代の圧力に抗しきれない。首相がアッと驚くような指導力を発揮し、党内の重たい空気を吹き飛ばさなければ、低迷傾向に歯止めはかからないのでは」と打ち明けた。