旅行業界で新型インフルエンザの感染拡大を受けて中止したメキシコ向けツアーを再開する動きが広がっている。外務省が同国への渡航延期勧告を解除したためだ。新型インフルエンザの影響で多くの海外ツアーにキャンセルが続発していただけに、業界からは「このまま沈静化してほしい」と切望する声が聞かれる。
エイチ・アイ・エス(HIS)は6月末まで中止する予定だったが、勧告解除を受け、今月27日出発分からツアーを実施。ジャルパック(東京)も6月1日の再開を決めた。
近畿日本ツーリストは「現地の安全性を確認できた」として、6月15日出発分から再開。JTBや日本旅行、阪急交通社(大阪市)も7月1日以降、ツアーを通常通り実施する。
日本航空や全日本空輸などは7-9月の国際線の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)をゼロに引き下げると発表。旅行大手幹部は「新型インフルエンザの混乱が落ち着けば、夏以降は海外旅行の伸びが期待できる」と語る。
ただ、観光庁によると、新型インフルエンザの影響で、国内外の修学旅行を中止・延期した学校が22日までに2001校に上った。旅行業界にとっては、まだ不安の種が残っていると言えそうだ。