●100年に1度の大不況で…
フリー転向以来、去就が注目されていた元NHKアナウンサーの松平定知氏が、古巣に「復帰」して話題を呼んでいる。4月19日にスタートし、今後7月までに合計5回オンエアされるNHKスペシャル「マネー資本主義」シリーズでキャスターを務めることになった。100年に一度といわれる世界的金融危機を取り上げる大型番組とあって、本人も意欲満々。番組出演が決まると分厚い経済書を10冊以上読み、専門家並みの知識を身に付けたという。
「必死になって読みました。本当に難しい話だが難しいままでは伝わらない。番組はわかりやすく伝える工夫をしました」
松平がここまで力を入れるのには理由がある。松平といえば、かつて“ミスターNHK”といわれた人気・実力とも折り紙つきの超大物。フリーになって、ウハウハの稼ぎは確実と思われていた。
だが実際は、NHKとの嘱託契約満了後も担当してきた歴史情報番組「その時歴史が動いた」が3月いっぱいで終了した後は、不定期レギュラーが数本あるのみという状態が続いていた。まさに100年に一度の大不況の影響をモロにかぶったテレビ局の制作費カットで、ベテランキャスターが次々とリストラされているタイミングと重なってしまったためだ。
松平は69年にNHKに入局し、5年後に東京局に異動。「連想ゲーム」などの司会ほか89年から2年間、紅白歌合戦でも総合司会を務めた。“NHKの朝の顔”として「NHKモーニングワイド」のキャスターを担当していた91年、“タクシー運転手暴行事件”で降板、その後ニュースキャスターとして復帰した「NHKニュース11」でも、スタッフへの“鉛筆投げ事件”がオンエアされた過去もあるが、それさえ消えてしまうくらいの大物キャスターであることは間違いない。
「ニュースだけじゃなくバラエティーもできるし、知名度もトップクラス。制作費削減の今、松平としては『マネー資本主義』で数字を取って自分の価値を上げたかった」(テレビ関係者)
視聴率の取れるキャスターとしての実績を挙げることが、松平の今後を大きく左右するのは当然。そのための“経済書で猛勉強”だったのだ。第1回の視聴率は10%割れ。同時間帯の「行列のできる法律相談所」(日テレ)、「日曜洋画劇場」(テレ朝)、「新・日曜劇場『ぼくの妹』」(TBS)に大きく水をあけられたが、さて、今後は?