米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は29日深夜、政府関係者の話として、米財務省と米自動車大手クライスラーの債権者団との間で続いていた債務削減に向けた交渉が決裂した、と報じた。報道によると、クライスラーは、30日にも日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条の適用を申請する見通しという。米政府はクライスラーの再建を支える方針。米自動車業界の経営不振は大手3社(ビッグ3)の一角が経営破綻(はたん)する事態に発展する可能性が高くなった。
クライスラーは2月、米政府に50億ドルの追加支援を要請していたが、米政府は30日までに債権者団や労働組合との交渉を決着させ、イタリア自動車大手、フィアットとの提携をまとめることを求めていた。
クライスラーは、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーターに次ぐ「ビッグ3」の一角で、米ミシガン州アーバンヒルズに本社を置く。1925年設立。98年に独ダイムラー・ベンツと合併したが、経営不振のため07年に合併を解消し、米投資ファンド「サーベラス・キャピタル」の傘下に移った。「クライスラー」「ジープ」などのブランドを展開している。07年の世界販売台数は268万台。