「ゴクゴク」飲料が続々-。気温が上がるにつれて、飲料のトレンドが、じっくりと味わいながら飲むものから、のどを鳴らして飲むタイプへ移りつつある。売り場には、「ゴクゴク飲める」をウリにした飲料が目立ち始めた。(榊聡美)
■すっきり野菜ジュース
「100%なのにゴクゴク飲める」のうたい文句で人気急上昇中なのが、カゴメの「野菜生活100 リフレッシュ!」だ。
[フォト] 吹石一恵の美脚から繰り出されるハイキックを受け止めるニンジン君
100%の野菜ジュースといえばドロッとした飲み口を想像するが、これはすっきりとしたのど越しで、どちらかというと清涼飲料に近い。
「これまで野菜ジュースは食事時に飲まれることが多かったが、お風呂上がりや気分転換したいときに飲むケースが増えていることが分かりました」と東京本社広報IR部の市川豪さんは明かす。
こういった新しいニーズに合う商品は、従来の重たい飲み口でなく、ゴクゴク飲める爽快(そうかい)感だった。野菜汁に果汁を合わせ、そのみずみずしさを生かす独自のブレンド製法で、新感覚の野菜ジュースに仕上げた。スポーツ時など飲用シーンが広がる一方、野菜や、野菜ジュースが苦手な人にも好評で、「売れ行きは予想以上に順調」(市川さん)とか。
2月に発売されたキッコーマンの「デルモンテ 好きになったトマト。」も、トマトジュース嫌いの人に好評のトマト飲料だ。トマトジュース特有の青臭さと口当たりを、リンゴやモモなどの果汁を合わせることで和らげ、ゴクゴク飲めるよう工夫している。
■「ゴロゴロ」も大丈夫
メグミルク(日本ミルクコミュニティ)の「おなかにやさしく」は、パッケージの「ゴクゴク飲めて、すっきりおいしい」の文字が目を引く。その名のとおり、おなかの調子が悪くなる原因の乳糖を分解し、約8割カットした乳糖分解乳だ。牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしたり、下痢をしたりするのは、「乳糖不耐」といって、牛乳に含まれる乳糖が体内で十分に分解できないためだ。
日本酪農乳業協会の調査では、牛乳を飲まない理由として、約4割の人がこの不快な症状を挙げる。そこで同社が独自に調べたところ、成人男女の実に4人に1人が乳糖不耐であることが分かった。「牛乳離れが危惧(きぐ)される中で、新しいタイプの乳糖分解乳を提案することが、市場全体の拡大につながると考えた」(同社コミュニケーション部)という。
従来の乳糖分解乳は独特の甘みがあり、「ゴクゴク」とはいかなかった。乳糖を分解すると、ブドウ糖とガラクトースという2つの単糖に分かれ、これらが強い甘みの原因に。そこで、無脂乳固形分を抑えて乳糖量を減らすとともに、乳脂肪分も抑えて、軽やかなのど越しを実現させた。
■アイスコーヒーも
これから人気が高まるアイスコーヒーにも、ゴクゴク系が登場した。麦茶のように冷水ポットで作る、キーコーヒーの「香味まろやか水出し珈琲」が、それ。
一般的なアイスコーヒーは、まず熱湯でコーヒーを抽出するため、溶け出した脂肪分が酸化し、苦みや渋みを強く感じる。しかし、冷水でじっくりと抽出すると、やわらかな苦みとまろやかなコクのある味わいになり、ストレートでもゴクゴク飲める。
こうした“ゴクゴク系飲料”は、まず爽快感ありきで、特有のクセを和らげたものが多い。今まで苦手だった人が飲みやすいのも魅力といえそうだ。