オバマ米大統領は30日、米ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに対し、抜本的な再建計画を策定するため、それぞれ60日間、30日間の猶予を与えると発表した。
GMについては「再建を確信している」と明言したが、クライスラーの再建には「生き残りには提携相手が必要」と述べ、伊フィアットとの提携合意を求めた。オバマ大統領は、両社が2月に提出した経営再建計画は追加支援をするのに必要なリストラなどの条件を満たしていないとし、負債圧縮のためには米連邦破産法11章の申請も有力な選択肢に位置付けている。
オバマ大統領は、両社が提出した再建計画について「慎重な分析の結果、追加支援を求める条件をほとんど満たしていない」と結論付けた。「際限のない税金の活用には依存できない」と述べた上で、「自動車産業を消滅させてはならないし、消滅させない」と強調し、両社に再建計画の見直しを求めた。再建の手法として、両社が抱えた多額の債務を圧縮させるために、「米連邦破産法11章が適用される可能性」にも言及した。
GMについて60日分の運転資金を融資し、その間に債務の大幅削減、外国メーカーと競合できるように人件費のカット、製造・販売体制の見直しなど新たなリストラ計画の策定を求めた。オバマ大統領は、「新たな再建計画に、我々は密接に協力する」と述べた。だが、政府の管理下に置く考えはないと明言した。
また、政府は支援の見返りとしてリチャード・ワゴナー会長兼最高経営責任者(CEO)の辞任を要求し、ワゴナー氏は同日、辞任した。後任にフレデリック・ヘンダーソン社長兼最高執行責任者(COO)が昇格したトップ人事については、「GMの未来に向け、新たな目標に向かって進むため」のものだったと説明した。
一方、クライスラーについては30日分の運転資金を融資し、その間にフィアットとの提携が最終合意した場合には最大60億ドル(約5760億円)の追加支援に応じる。
GMとクライスラーは、昨年12月から計174億ドルの資金支援を米政府から受けたが、経営悪化に歯止めがかからず、2月にGMは最大166億ドル、クライスラーは50億ドルの追加支援を求めた。これに対しオバマ政権は自動車特別専門委員会を設置し、追加支援の是非を検討していた。
◆オバマ大統領が発表した支援策の要旨◆
▽GMとクライスラーが2月に提出した経営再建計画は、公的資金を投入する上で不十分
▽GMには、60日分の運転資金を与える。その間に、より抜本的なリストラ計画を策定するよう求める
▽クライスラーには、30日分の運転資金を与える。単独での存続は困難で、30日以内に伊フィアットとの提携に合意すれば最大60億ドルを追加で融資する。合意できなければ追加支援は行わない
▽再建を迅速に進める手段として破産法の適用を視野に入れる