使用済み携帯電話のリサイクル拡大に向け、総務省が携帯電話事業者などに対し、端末提供者に現金の代わりに利用できるポイントの付与や、新端末購入時の割引など特典を提供するよう求めていることが29日、明らかになった。
携帯電話端末は世界的に需給が逼迫(ひっぱく)する貴金属や希少金属(レアメタル)を多く含むだけに、「都市鉱山」とも呼ばれ、リサイクルの重要性が高まっている。
しかし、消費者が携帯各社の専門ショップで使用済み携帯端末をリサイクル用に提供しても対価はなく、回収台数は年々減少しているのが実情だ。
このため、総務省はリサイクル率向上には、携帯事業者による具体的な奨励策が必要と判断した。
総務省は4月3日に、携帯リサイクルの促進施策をまとめた報告書案を公表する計画。その中で、NTTドコモなど携帯電話事業者や、家電量販店などで構成される、携帯電話のリサイクル推進する団体「モバイル・リサイクル・ネットワーク(MRN)」は、現在20%程度にとどまる使用済み携帯電話の回収率を、2009年度中に30%にまで引き上げる自主目標を盛り込む方針だ。
総務省は数値目標の実効性を上げるために、量販店などで現金の代わりに利用できるポイントの付与や、次回の端末購入時や関連商品購入時の割引などを行うよう求めている。割引などの原資は各事業者が負担する。
携帯電話は金、銀、銅、パラジウムなどが多く含まれ、回収が進めば、現在その大半を輸入に頼るこれらの貴金属や希少金属の国内自給向上につながると期待されている。
携帯には個人データや撮影した写真が含まれており、プライバシー保護や思い出として保有する利用者が少なくない。最近では、使用済み携帯を買い取り、割安価格で販売する「リユース(再使用)」による中古市場も拡大しており、総務省はリサイクルに対して対価が支払われる体制を整えることで、消費者のリサイクル意識を高めたい考えだ。