日本舞踊家で、舞台や映画、テレビで女優としても活躍した藤間紫(ふじま・むらさき、本名・喜熨斗綾子=きのし・あやこ)さんが27日午後5時26分、肝硬変による肝不全のため東京都文京区の病院で死去した。85歳。自宅は非公開。通夜は29日、密葬は30日、東京都台東区上野公園14の5、寛永寺輪王殿第一会場で行う。時間は未定。葬儀・告別式を4月に行う予定。喪主は夫、市川猿之助(いちかわ・えんのすけ、本名・喜熨斗政彦=きのし・まさひこ)氏。
東京都出身。7歳から日本舞踊を始め、18歳のときに藤間流家元・藤間勘十郎さんの内弟子に。昭和19年に勘十郎さんと結婚、家元夫人に納まった。日本舞踊などの講師を務めるが、ユーモアあふれる個性と演技のセンスを買われ、24年に映画「グッドバイ」でデビュー。森繁久弥さんと共演した「三等重役」(27年)、「亭主の祭典」(28年)などのコミカルな演技で人気を呼んだ。
61年5月には勘十郎さんとのいざこざから宗家藤間流を離れ、紫派藤間流を創流し家元となった。その後、舞台「墨東綺譚」(平成3年)、「父の詫び状」(5年)などで多くの演劇賞を受賞している。12年に歌舞伎俳優の市川猿之助さんと再婚した。
2月15日に国立劇場で行われた「道行旅路の嫁入」が最後の舞台となった。
平成6年に勲四等宝冠章受章。