政府が各界の意見を聞く「経済危機克服のための有識者会合」は21日、社会保障など5分野の会合を行い、5日間の日程を終えた。「オールジャパンで英知を集める」(麻生太郎首相)のが狙いで、10分野の有識者計84人を招く異例の会合だった。1人の発言時間は数分と短いなど、突っ込んだ議論はほとんど見られず、追加経済対策に反映させることができるかは未知数だ。
会合では狙い通りに大胆な提案も飛び出した。一橋大の中谷巌名誉教授は、中高所得者層から低所得者層への所得移転を狙い、消費税を20%に引き上げ、定額給付金を1人当たり20万円支払うことを主張。聖路加国際病院の日野原重明理事長は小児、産科などの医師不足対策として、看護師が医療行為を行えるようにすべきだと訴えた。
首相は21日の会合の最後に「いただいた意見はきちんと整理し、経済財政諮問会議等々で検討すべきものがあれば使っていく」とあいさつした。
ただ、1分野の会合は最大1時間半。有識者は7~12人出席したことから、それぞれの発言時間はごくわずかで、松井証券の松井道夫社長は「(持ち時間が)3分間なので、ストップウオッチを持ってきた」と語った。
こうしたことから、単なる聞きっぱなしに終わる可能性も指摘されている。20日の会合に出席した宮崎県の東国原英夫知事は「国が本当に変わるのか国民は注視している。意見の反映が不十分なら、国民が審判を下すだろう」と首相に注文をつけた。