自動料金収受システム(ETC)装着車の高速料金値下げや、ETCの購入費助成で車載器が爆発的に売れる中、車載器の品切れが続出し、購入希望の客が「助成を受けられるのか」と悲鳴を上げている。一方、特需を見込んで車載器を大量に仕入れた店側も、助成に必要な申込書が底をつき「売るに売れない」と頭を抱える。助成開始からわずか1週間。京滋をはじめ日本中が「ETC狂騒曲」を奏でている。
京都市右京区の大型カー用品店のETCコーナーには、商品が置かれていない。店は「すべて売り切れた。供給状況が読めないので予約は受け付けていない」と声を落とす。
カー用品大手のイエローハット(東京)は「今月12日の助成開始日は通常の30倍、その後も6倍の売り上げが続いている。品切れの店も出ているが、週末には入荷がある」と期待する。
滋賀県内にある同社の4店は、いずれも在庫がなくなった。「予約客の約400人は助成期間内に間に合わせたいが、今から予約する客には、ゴールデンウイーク明けになると伝えている」(大津堅田店)と話す。
複数の店に問い合わせた大津市の会社員(47)は「どこも品切れだった。こういう状況になるのは目に見えており、助成期間を短期に設定したこと自体がおかしい」と憤る。
車載器はあるのに売れない事態も起きている。助成を受けるには、実施主体の高速道路交流推進財団の申込書に必要事項を記入しなければならない。しかし、客が店に殺到し、財団が事前に店に送った申込書が十分に足りていないという。
京田辺市の車販売修理店は、助成2日目の13日に20台分の申込書がなくなった。店長は「申込書には、車載器のセットアップに必要な通し番号が付いており、コピーできない。車載器が売り切れた他の店に頼んで余った申込書をもらい、急場をしのいでいる。財団に電話をしてもパンク状態でつながらない」と打ち明ける。
高速道路交流推進財団は「(反響に)驚いている」という。申込書は4輪車用に95万枚を用意したが、この1週間だけで3回も増刷し、枚数は当初の4倍に膨れ上がった。
ETC車載器のメーカーも増産に追われている。パナソニック(大阪府門真市)のカー用品部門(横浜市)は「需要増を見込んで、昨年12月からタイの工場を24時間稼働させ生産を3割増やした。それでも助成開始後の注文数は予想を超えており、タイからの輸送を船から飛行機に切り替えた」と話す。
車載器購入者の急増に伴う混乱の中、高速道路交流推進財団は19日、3月31日までだった助成期間を4月以降も続けることを決めた。