当時、誰も住んでいなかった実家に行ってみた。
私はそこで中学1年の時の日記を見つけた。

あちこちぼやけていた記憶が日記と共に鮮明になる。

夜は、
この先山の峠にある秘境の温泉を予約していた。

私は日記を温泉宿に持って行った。

高校生くらいの少女が仲居のアルバイトをしていた。

少々雑談しようと思い、
梺のM中出身である事を話した。
あろう事か仲居は
『あの、ワルで有名な?』と言った。
全く悪びれずに。

否、悪びれてないのは私の方かもしれない。

若しくは都会に染まって、田舎のルールを忘れて
M中であることをばらしてしまったのだ。
仲居はちょっと冷たく
『おかわりご自由に。』
といい、去っていった。

そう、ありありと思い出す。
不良の巣窟だった。
でも、
イメージを作ったのはほんのひとにぎりの学生だった。


言わない方が良かったな。
苦い気持ちで露天風呂に入った。
満天の星空に恵まれ、さっきの仲居の言葉も忘れた。


布団に入ると、夜の静寂の中日記を開いた。

大好きなスヌーピーのノート
幼い文字で第1行目がスタートした。


1977年4月
ヒトミ 中学1年