私の周りのナルシストたちのお話です。
続きなので、前回から読んでくださいね~。
さて。
ティーンエイジャー世代に
ナルシスト君が急増するのは仕方ないとはいえる。
が。
なぜ次から次へと出てくるのか。
とっくに思春期を終えた大学時代、
当時付き合っていた彼氏をふりました。
次なるナル男となる、彼の名はS。
彼と私は同じサークルに属していたので
別れた1週間後に
サークルの飲み会でたまたま顔を合わせることに。
私はもちろん彼を避けます。
なんとなーーく気まずい雰囲気。
そのとき、彼のカメラが回り始めたのです。
はい、三、二、一、本番スタート!!
―――居酒屋―――
<おもむろに、てれさの隣に腰かけるS>
S 「ここの料理、おいしいね」
てれ 「あ…うん」
S 「もうこの頃は、自炊できないよ。
食べてくれる人がいないと、張り合いないもん」
てれ 「……」
S 「でも、夜はやっと寝れるようになったんだ。時間かかったけど」
てれ 「……」
S 「今日、周りの奴に、オレがつらそうに見える、って言われてショックだった。
うまく隠してたつもりだったのにな……ははは」
<S、乾いた笑い声を出す>
アンビリーバブル。
まさに、この脚本のようなことが起こったのでした。
Sの独白が続く間、私は目の前にあるチューハイも飲めず
完全に自分が氷結状態。
ふられた男のうっとおしさ、
どうにかならないものでしょうか、まじで。
私の周りにだけたまたま多いのか、
それとも私が男をナルシストに変えてしまうのか。
それでも、関西にいたころは
そのテの男はまだそこまで多くなかった。
しかし東京。
キザの宝庫、東京。
例えば
メールでただ遊びの誘いをするだけなのに
「今度の土曜日、オレにちょうだい」
とか言う男。
また、大きなビルを指さして
「ここの頂上(てっぺん)に、オレの親父がいるんだ」
とか言う男。
(なぜ父親の自慢!!??)
もしくはベッドの上で
「てれさの顔、もっとよく見せて」
「もっと強く抱きしめさせて」
とか言う男。
私は一瞬、
こいつは何かの曲のタイトルを言っているのかと思いました。
どーやったらシラフで言えるんだ、このセリフ。
そしてさらに、とどめの一言が。
「てれさが幸せになってくれれば、
オレはそれでいいから…」
重いよ。
口よりも体を動かせよ。
と、全く情緒を理解せず、
心の中で白ける私。
しかしそこでも表面上は
「うん………」
と、意味ありげに答え
私は脚本の余白を、しっかり演じてしまっているのです。
そもそも私は、
「受け流す」リアクションができないから
キザ男を増長させてしまってるのかもしれません。
ドラマの主役をはるキザ男。
彼へのしかるべき対応としては
私は、共演者になったらダメなのです。
かといって
ドラマを見る観客でもいけない。
たぶん私は
撮影のときにいるやじ馬
的存在になればいいのでしょう。
わーやってるやってる
あ、こいつ「入りきれて」ないな
よくこんな恥ずかしいことできるよな
くらいの冷静で突き放した視点を持ち
かつ自由に立ち去ることのできる立場でいればいいのです。
とは思いつつも、
ひたりきる大根役者たちの付き合いが長い私は、
助演女優という立場から
まだまだ抜け出せそうにありません。