天然バカっぽい明るい男が、ため息をついている。


見た目はギャル男なのに、めちゃくちゃ礼儀正しい。


真面目なメガネ君が、実は酒豪である。




こうした男のギャップに、


女のコは胸キュン(古っ)するものなのでしょうか。






彼氏対象としては分かりませんが、






とりあえず合コンという場においては



答えはYESです。








例えば


合コンの場で扱いに困るキャラに



いい人



がいます。




彼は

会話も無難でニコニコと気を配り、


悪口や下品な会話は決してしない。



つまり「攻め」がない。




時には「そこ違うでしょ!」みたいな


“いい子ちゃん”的なツッコミはしますが


場の空気を乱さず


そして決して変え(られ)ない、



彼は限りなくいい人なのです。





そういう人に

「○○君ってほんといい人だよねー」


と話をふってみても



「いやいや、そんなことないですよ」


としごくまっとうな答え。






しかしもっと悪いのは


「いやでも、実は友達には黒いって言われるんですよ」



と答える人。




そう、自分でギャップを説明してしまっているんです。




これはいかんでしょう。




黒さを簡単に白状している時点で、すでに黒くない。

「いい人」から抜け出せていないのです。



ギャップは、言葉じゃなくて態度で示してほしいもの。





例えば

何気ない会話の中でふと彼が


「あの女マジありえねえよ」


とでも一言もらしたら



私はとても興味をそそられるのですが。




要は


見た目が「いい人」っぽく


かつ中身も「いい人」



というのは



それはもう致命的に



からみようがない。




一体これをどうしろと…?


女のコたちは途方にくれるわけです。






別に、無理してキャラを変えろとか、


そんなことまで望んではいないのです。






初対面同士が集まる合コン。



1時間が過ぎ、実のない会話に飽きてきたころ



ちょっと一段階進んだ会話の、とっかかりがほしいだけなのです。





そんな中



「○○君ってほんといい人っぽいよね」




「でしょ!


いい人キャラだと、


女を落としやすいんだよね(笑)



とでも答えてくれれば




「何それ~!


え、○○君ってそんな性格なんだ!」




つかの間の達成感&


盛り上がり感を味わえるというもの。








「本当の性格をお互いちょっと知り合えた。」




と思えることで


上っ面だけの飲み会が


ちょっと美化される。



錯覚にすぎませんが。





しかし


その錯覚の積み重ねが


最終的には女のコたちに




なんか楽しい合コンだったね




という後味をもたらすのです。













ちなみに


「ギャップ」といって


私が必ず思い出すのは


大学のときに仲がよかったK子です。





K子はそこまでかわいくなかったのですが



遊び人&男好きオーラが出ていました。



そして基本的に高飛車な感じ。




ちなみに


もう一人A子という女友達もいたのですが、


彼女はアナウンサー系の超美女。



しかも性格もおっとりして同性にも好かれるタイプ。





そのK子とA子と私の3人で、


合コンに行ったことがありました。




男3人は、まあそこそこといったメンツ。





幹事の私は、注文や場の雰囲気に気を配り、


性格のいいA子は、男たちの話にこまめにリアクションをし、


そして高飛車なK子は


にこりともせず、一人でタバコをふかす女王様っぷり。





しかし



ほどよくお酒がまわった頃、


突然K子が




「最近、『ほたるの墓』を観たんだよね」



と言い出します。






「なんかさ~、


普段は何も思わないのにさ、




あの映画を観て











やっぱり戦争はダメだって思った。








…当たり前のことなんだけどね」








テンションの低い声で、


唐突にそんなことを言い出すK子。





男一同はしーん。


静まりかえり。






沈黙の後、


「…大事だよね。そんな風に思えるの」




と真面目なコメントをしたのは


その場で一番かっこよかった


(そして私がひそかに狙っていた)S君。






その一方で私は



うんそうだよね~~わかるわかる




ノリの軽さと一緒に頭の軽さもさらけ出す始末。






結局K子が話したのはその一言くらいでした。


その後会話はとどこおりなく進み、


結局2次会まで行ってから解散。




私も楽しい時間を過ごしたのですが。






が。









私の本命のS君は、













K子にサクッと持っていかれたのでした。







…嗚呼、悲しき哉。









チャラそうに見える女が


チャラい話をしているだけでは


誰も見向きもしない。








そんな女がふいに


しんみりした真剣な話をすると



男の琴線にふれるようですね。





これぞギャップの生きる道。







いい勉強になりました。



ちなみに、


このK子は


これまで私が出会った女のコの仲で




一番モテる女です。







彼女といると、


「女のテクニック」みたいなものを


ひしひしと感じます。




そこで。






「モテる男友達」がいる人、




そいつの存在を生かさない手はありません。






一緒に合コンに行くのは気が進まないかもしれません



が、




後学のために一度じっくり観察してみるのも


また一興。










ああ、こうすれば落とせるのか。





あ、この言動はNGっぽいぞ。










一歩一歩知識を得ていく楽しさ。











そうして








いつの間にか








「合コン地獄」から


抜け出せなくなっている私がいるのでした。





……。