いろんな20代の男のコと遊んでいて思うのが、
歌の上手い人ってけっこういるな
ということ。
そして彼らのほとんどは、
自分が歌が上手いことを、必ず自覚しています。
が。
「歌が上手い」ということは、
必ずしも武器になるとは限りません。
初めてのメンバーで行くカラオケ、
例えば合コンの2次会などでは
自分の歌の上手さを、いかにごまかすか
が問題になってきます。
下手さではなく、上手さなんです。
というのも、
彼らは知らず知らず
「カラオケが得意な人」特有の雰囲気を出しているからです。
まず、合コンの2次会で「カラオケ行く?」てな雰囲気になったときから、
彼らはとたんにおとなしくなる。
カラオケのカの字も出さず、息をひそめて場のなりゆきを見守っている。
「居酒屋で飲みなおす?それともカラオケ?」と聞かれても
「う~~~ん」と一応悩んだふりをしてみせつつ、
結局答えを言わないんですね。
歌のわりと上手いオレがなあ~
カラオケ行きたい行きたいって言うのも嫌味だしなあ~
本当は行きたいんだけどなあ~
自慢に思われるのもやだしなあ~
とでも考えているのかもしれませんが、
私たちにしてみれば
その中途半端な謙虚さが、この上なくうっとおしいのです。
カラオケボックスに入ってからも、やたら静かな彼。
全くカラオケに興味がないフリをしつつ、
満を持して歌いだす。
「え~~~すごい上手~~い」
女のコからは拍手喝采。
こういうちょっと鮮烈な登場を目論んでいたりもする彼ら。
でもね、
白けるんですよ。
こういう雰囲気。
その場が盛り上がり、全員が楽しまなければならない
これが至上命令とされている今の社会人合コンでは、
歌が上手い人、そしてそれを変に隠そうとする人は、
場の和を乱す存在なのです。
すなわち、合コンという場にふさわしくない。
では、歌が上手い人たちは、具体的にどうすればいいのか。
以下、前置きが長くなりましたが、気をつけてほしい3か条です。
1 一曲目でバラードを歌うなかれ
これはもう、鉄則中の鉄則なのでは。
「バラード」
というのは、よくも悪くも
本人の下手さ・上手さが最大限に引き出されるジャンルです。
周りが談笑して盛り上がっている最中に、
いきなり抑揚とビブラートを効かせたちょっといい声。
これでもかというくらい情感たっぷりな歌い方。
ただでさえ
「今日はじめて会った人が、
いきなりカラオケ声になる瞬間」
というのは
ちょっと気恥ずかしいものなのです。
そのギャップを埋めるのに、バラードはあまりにも不適。
戸惑いを超えて、周囲は完全に引いてしまうのです。
一曲目は、誰でも知ってるアップテンポの曲で、
上手さも下手さもごまかしましょう。
2 同じ歌手の歌は、2曲までにするべし
歌の上手い人というのは、
自分の声質や音域を知り尽くしているがゆえ、
最も効果的に自分の上手さをアピールできる
「十八番のアーティスト」
を持っているものです。
そして彼らはカラオケで、
同じアーティストの歌ばかり歌ってしまうのです。
これまでの合コンのカラオケで、そういう過ちをおかす男は数知れず。
しかもよりによって彼らが歌うのは
ラルクやGackt(ガクト)だったりするんですよ、これが。
いい加減くどいだろ。
しかも、声がめちゃくちゃ似てるのがまたきつい。
彼らには、
周囲の冷めた視線に気づく余裕と、
適度な歌のバリエーションを持ってほしいものです。
3 洋楽を歌うなかれ
普通、自分で気づかないものなのでしょうか。
カラオケという場所で
「素人が歌った洋楽が聴きたい」
なんて、一体誰が思うでしょう。
しかし、カラオケで洋楽を歌いたがる人は、一定数存在します。
皆の戸惑いがちな態度をよそに
彼らはあやしげな英語を披露し、
曲の合間には「Ah,Ah~」と
ものすごく微妙なアドリブを入れる。
歌う歌詞はほとんどがカタカナ読みであるにも関わらず
妙に「r(アール)」の発音だけが、基本に忠実だったり。
そして聴く側にとって最も困るのが、
どうリアクションをすればいいのか分からない
ということ。
歌詞の意味が分らないので「いい歌詞だね」とも言えず
洋楽を聴きなれているわけでもないので、上手いか下手かもイマイチ分からない。
歌い終わった後の高揚感に浸っている彼らに、
一体どんな言葉をかけてあげればいいのでしょう。
…誰か教えて下さい。
ここまで共通しているのは、
合コンのカラオケで
過剰に自分をアピールしようとしてはいけない
ということでしょうか。
それを守れば、
例えモー娘。を完璧な振り付けで踊ろうが
アニソンや演歌を歌おうが
たいていのことは笑って流してもらえる(はず)。
皆で楽しくノリのいい歌を適当に歌って、
「あの人、もしかして実はうまいんじゃ…」
と思われるくらいのレベルが、一番無難だといえましょう。
P.S
そこそこ歌が上手い
というレベルではなく、
周りがぶっとぶような、現実感がないくらい歌がうまい人に、
最近出会いました。
い、いるもんですねー。
こんな身近に。
サーカス編集部に。
彼女は24歳の女のコです。