バルセロナの町をふらふら歩いていたら、

絵を描いているおじいさんがいたので、

その絵をじっと眺めていたら、

後ろから声をかけられた


ふりむくと浅黒く濃いヒゲ顔の男性

自分も観光できているが、

シエスタの時間でやることないから、

そこのカフェでお茶でもどう?ということだった


お茶をしたあと、

やたらと元気でオーバーリアクションなモロッコ人と、

ついでにサグラダファミリアを一緒に観光することになった

日本人女性は基本的にシャイで大人しいけど、

それじゃあダメだ!

もっとアクティブに、自分の思いをどんどん主張していかなきゃ!

と、なぜか道々説教された・・・


サグラダファミリア城は良かった

建築物が生きて動いているように見える、

いつまでもいつまでも眺めていたい建物だった


モロッコ人は次はグラナダに観光に行くので、

一緒に行かないかと、

ひげの濃い顔の黒い瞳にじっと見つめられた

グラナダという響きはとても魅力的だったけど、

ちょっとハイで独りよがりなモロッコ人と一緒は

願い下げだと思った


さよならして立ち去ろうとすると、

後ろからついてくる

何?と思ったら

「僕のヘアスプレー、返してもらえる?」

そうでした、預かっていました

なぜかヘアスプレーのカン1本だけ・・・


スペインはほんと、飽きさせない街だ




一人さまよった、欧州1ヶ月旅行。


バルセロナからマドリッドへ向かう

インターシティ電車に乗っていたら、

隣の席に若いスペイン人男性が座った。


くっきりとし目鼻立ちに、くりっとした大きな瞳が

ちょっと童顔な感じを与える、美青年だ。


どこに行くの?と話しかけたら、

バルセロナの親戚の結婚式に出て、

地元ヴァヤドリッドに帰る途中だという。


そこから乗り換え地点までの4時間、

尽きることなく楽しい会話が続いた。

リュックから何本も取り出した、本人お手製のパニーニもわけてくれ、

これがまた実においしい。

パンにはさまったスモークポークの塩味が絶妙だった。

彼の実家は肉屋だが、継ぐ気はさらさらなく、

トレーダーになるべく大学で経済を学んでいると語った。


最後にメールアドレスを交換し、乗り換え地点で私が列車をおりると、

窓を開けて見えなくなるまで手を振ってくれた。

あの輝く笑顔が忘れられない。

私はそのとき彼のことをスペインのデカプリオと命名した。


。..。.:*・゚゚・*:.。..。.


その後もしばしばメール交換が続いた。

彼はその後、ゴールドマンサックスへ就職してがんばっていたが、

働きすぎてうつ病になってしまった。

でもいまはすっかり回復し、別の仕事を探してるらしい。


そんなメールがきてから、だいぶん経つ

私のスペインのデカプリオは、

今も元気にしているだろうか。


いつか会いに行きたいなぁ。







ある日すべてを、

いきなりリセットしたくなった瞬間があった。


決まっていた結婚辞めて、

仕事辞めて、

親友ともケンカ別れして、

母親ともケンカして「縁切る」なんて言われて・・・


気がついたら何もかもなくなって

一人部屋でポツンとしていた

27歳の夏


自分の生活を構築しているすべての要素がなくなって、

カラッポになってしまって、

それでも人って生きていられるんだなぁと

人事みたいに思った。


なんだか何も考えられず、

とりあえず貯金はたいて旅行に行くことにした。

10月1日成田発イタリア行きのチケットと、

11月1日パリ発日本行きのチケットだけを持って、

小さいトランク一つで家を出た。


イタリア~スイス~スペイン~フランスと

4カ国を電車で移動しながら

一人ふらふらさまよった。


何かを得ようとか、何かを変えようとか、

じゃなく

何も考えずただぼんやりするためだけの1ヶ月。


いろんなしがらみからようやく解放された、

体が軽くなったようなほっとするひととき


とても貴重な時間だったクローバー