なんとなく、
アートな後ろ姿。
さて
私が男性とお付き合いしていて一番辛かったのは、
自分がセックスしたくない時にも相手をしなければならないことだった。
夫婦間でも恋人同士でも、この手の話はよく聞く。
嫌なら断ればいいじゃない、と思うけれど、
やはり好きな相手であれば応えてあげたいという気持ちもわかる。
私もそう。
男性の性欲というものに多少は理解があるつもりだったし、
そもそも私は幼い頃から、相手のために自分が譲るということに慣れていた。
慣らされていた、が正しいか。
ただ、私の場合はいくら心がそう思っても、
身体が嫌がる時があるから困る。
悪寒が走ってしまうのだ。
例えば、急にワキの下なんかをくすぐられたりすると、反射的に
「わー!やめて〜!」と瞬間的に相手の手を払いのけたりするように
身体が嫌がっている時は、乳首に触れられただけで全身に嫌悪感が走ってしまう。
やめてよ!と強い口調で怒鳴ってしまいそうになる。
嫌で嫌で、相手のせいではないとわかっていても、怒りの感情でいっぱいになってしまう。
この感覚は突然にやってくる上に、コントロールが効かない。
それまでふたり仲良く時間を過ごしていて、さあ、という時になって不意に来るのだ。
もちろんその前に、相手が何か不快なことを言ったりしたり、
過去を彷彿させるようなことがあった訳では無い。
これといった原因が無いのに、不定期的に、突然に襲われる。
私は比較的、自分の思考をあれこれと分析するほうだが、
このことに関しては、自分でもなぜこうなるのか皆目わからない。
けれどどちらにしても、これは私の中だけの問題であって相手のせいではない。
今までいい雰囲気でいて、直前になって「嫌だ」と言ったら、どんな相手だって怒るだろう。
それが怖くて、昔は堪えに堪えてやり過ごしていた。
けれど、くすぐったいのを我慢出来ないのと同じで、不快感に堪えることにも限界がある。
相手が悪いんじゃない、わかっているのに
どうしても相手に対して嫌悪感を持ってしまう。
そうやって、私の付き合いは長続きせず、いつも終わっていった。

