夜なのに、うたた寝して。

片足落っこちてますよ。

 

 

さて

 

父の家を出るときに、母は財産分与をしなかった。

その代わり大きな買い物、電化製品やらを買うときには父がお金を出すということになったようだった。

 

それは後で知ったことだったけど。

父は、私たちとの関係がまったく切れてしまうことをおそれて、そのようにしたのだと思う。

ズルい男だ。

 

現に、父はしばらくすると定期的に私と母の住む家に訪ねてくるようになった。

離婚されてはじめて、家族の大切さがわかったといったところか。

 

最初は、カップ焼きそばの作り方がわからないと電話をかけてきて。

そんなもん、書いてあるんだから読めばわかるだろうが!

 

次は味噌汁の作り方。

料理って大変なんだな、と笑いながら言っていたが、そんなことは離婚する前に知って欲しかった。

そして母に感謝をし、労りの姿勢を見せて欲しかった。

 

そうしたら熟年離婚なんかしなくて済んだのにね。

 

離婚してからは、完全に母と私の勝利だった。

父は気持ちが悪いほど私の顔色をうかがっては機嫌を取り、車まで買ってくれた。

ただし、私の意見も好みもきかずに、勝手にだ。

 

高卒で就職したばかりで貯金も無かったため、確かにありがたくはあったけれど。

(ちなみに車は日産のマーチ)

 

父はいつもこうだ。

相手の気持ちなど考えずに好意を押し付ける。

それで相手が喜ばないと途端に不機嫌になる。

 

せっかくやってやったのに、と。

今時の言葉で言えば「面倒臭いヤツ」です。

 

離婚する前も。

勝手に仕事帰りの母を、気まぐれに駅まで車で迎えにいき、

そうとは知らない母はいつもと違うルートを通ってスーパーへ寄る。

 

買い物をして帰ってきた母に、

「せっかく迎えに行ってやったのに、どこをほっつき歩いてるんだ!」と怒りまくる。

 

・・・こんな男が父親で、本当に心の底からうんざりしていた。

なので母と私、狭い安アパートで暮らしながらも「今が一番幸せだね」と笑い合った。

 

私も、やっと義理兄に怯えずに暮らせる日々を手に入れた。

悪夢のような「当たり前」から、やっと抜け出すことが出来た。

 

それが何よりの幸せだった。