今日はイタリアの最高級素材の扱いにかけてはピカイチ!と思っているブランド、Agnona~アニオナを取り上げてみたいと思います。

コットン、麻、カシミヤ、ビキューナなど、どれを取っても最高級素材を使って高度な仕立て技術を駆使して、大人女性の知性とエレガンスを表現し続けているブランドです。




2016の春のアニオナのトレンドは、どうもこの袖にあるようです。

ドロップショルダーからギャザーを寄せた大きな袖が付いている真っ白なコットン素材のブラウス。
そして、ヒップをすっかり覆う長い丈のニットベストを合わせて、半端丈のパンツを合わせる。どう見ても胴長な印象ですよね。

この、胴長スタイルが、頑張り過ぎていないリラックス感を醸し出して、今各雑誌で盛んに取り上げられている「エフォートレス」という雰囲気なんですね。


「エフォートレス」の意味は、「肩の力を抜いた」「程良く力を抜いた」「頑張っていない」「大人のカジュアル」な~んて意味ですが、その「エフォートレス」をとても上手に表現しているのが、「アニオナ」「ブルネロクチネリ」辺りです。



このワンピースなどは、一枚さらりと着てサマになり、力の入っていない感じ、頑張ってない感じを体現しつつも、上質感のある代表的な一着だと思います。



この辺りの画像を見ると、「エフォートレス」の意味からはかけ離れた、実はとても上級のテクニック、計算が必要だということがわかると思います。

雑誌が書き立てる「エフォートレス」、実は我々一般人にとって、これほど計算を必要とする装いはないんだということです。

あなたがスタイル抜群の8頭身だったら、「エフォートレス」をまさにエフォートレスに体現することは可能だけれど、せいぜい5頭身といったところの私たちでは、ものすごい計算が必要なのが「エフォートレス」なんです。


またまた脱線してしまいました。


アニオナの1枚目の写真の袖口をよくご覧ください。
袖口の縫い代の幅が広いのにお気づきでしょうか?

この縫い代の幅の広さが、高級感を出すのにものすごく大事なところです。

日頃、私たちのよくお買い物をするお店では、袖口の縫い代はもっと幅狭です。なんなら2~3ミリしかない場合もあります。
まあ、それもそれで「三ツ巻き」という始末の仕方もあるんですがね。

写真①の袖口は見返し始末という始末がしてある。見返し始末は折り返すだけではなく、見返しのパターンと、裁断した見返し部分が必要で、縫いの工程も折り返し始末より4工程ほど多く、時間も手間も技術も必要になるのです。


あ~…、マニアックなつまんないこと書いてしまったかもしれませんね。 ごめんなさい。



しなやかなレザー製のベストとシルクのアコーディオンプリーツの組み合わせ、




しなやかなスウェード素材のジャケットとシルクプリントのオールインワンは、本物のエフォートレスをそのまま表現している最高に贅沢で上品な、アニオナならではのウェアです。


さてさて、私たちはどうやって、各雑誌がこぞって取り上げているこの「エフォートレス」を現実世界に落とし込んでいきましょうかね?

答えはないんかい! という声がどこからか聞こえてくるような~~~:゙;`;:゙;`;・o(ロ≦〃)