白腹は珍しい訳でも無ければ可愛い訳でも無いが、それでも白腹の居ない冬は考えられない。
何故か我が家の庭へ来る白腹は矢鱈人懐っこいのと、警戒心の強いのとの両極端だ。
可愛い訳でも無いので顔をジックリ観る事は殆ど無いが、良く観ると仲々味わい深い個体が居る。
大袈裟に言えば哲学的な風貌とも言えるのが居て、枯葉の下から微かに聞こえる獲物の立てる音に耳を傾ける様は正に哲学者のそれの様であると言うのは・・・矢張り大袈裟過ぎるだろうか?
白腹を撮っている人達も大抵は何かの序でに撮っているのであって、白腹が主役って事は多分殆ど無いであろうと思われる。
早い話、常に脇役だ。
勿論白腹自身そんな事を思う筈も無く、只淡々と餌を探しているだけである。
私はこの雄の貌に威厳を感じるが、それも大袈裟だろうか?
耳を澄ませて、枯葉の下に潜む虫や蚯蚓の立てる音を聴いているのだろうか?
木陰にいる時はそうでもないが、開けた場所に居る時は常に上空を警戒しているのはどの鳥も同じで、白腹も例外ではない。
白腹位の大きさでも鷂は怖い存在なのだろう。
白腹は見掛けは兎も角意外に物静かな鳥で庭の真ん中に居座る事は殆どなく、大抵は木陰で枯葉を引っ掻き回して餌探ししている事が多く、枯葉の擦れる音はするが白腹自体が音を立てる事は殆ど無い。
とは言え、偶に「キョキョッ」と聴こえる甲高い声を発する事はある。
普通、白腹を飼う人なんて無いだろうが、私は飼った事がある。鳥屋の親父が「カッチン」と呼んでいたのを憶い出した。
他の飼い鳥に比べるとかなり大きいので鳥籠もそれ也の物が必要だし、餌も沢山食べるし、声が良い訳でも無いしで白腹を飼って良い事は何も無かった。
どの鳥もそうだが、勿論白腹も水場には必ず現れる。
体が大きい分、水浴びも豪快で他の小鳥達は近寄らないし、私は機材を濡らさない様に気を遣う。
水場は餌場でもあり、色々な鳥が餌を探して遣って来る。
白腹と鵯と磯鵯が大きい方で、他はかなり小さい鳥達なので白腹は堂々としたものだ。
狭い我が家の庭では磯鵯と白腹が強い方の頂点に居る。
とは言え、嘗て気の強い目白に体当たりされて逃げたのを目の当たりにした事がある。
その目白は例外的に気が強かった。
普通なら気が強い目白も白腹には挑まないので、安心してノンビリ餌探ししている。
上のは雄で、頭部が青灰色なのが見分ける際の目安になるだろう。
この個体は垢抜けない外観ではあるが、朴訥な感じで好感が持てる。
雌は下顎に茶色の筋があるので判り易い。
枯葉を穿る事が多いので、嘴は常に汚れていて小汚く見える。
他の鳥達と同じく白腹も正面顔は画になり難い。
被写界深度の浅さが一番の理由ではあるが、正面からだとAFが瞳を確り捉えて呉れない。
もっとハッキリ言えば、こういう状況ではカメラのAF機能が瞳を捉え切れないのである。
今時のカメラのAF機能は素晴らしいとは思うが、それでも正面顔の時の瞳の捉え方に関しては大いに不満である。
不満も何も瞳を追わないで、嘴の先端にピントを合わせる始末だ。
嘴の先端が丸く見えるので、それを瞳と間違えるのだろうがメーカーにはもう一息頑張って欲しいものだ。
但し、それ等は飽く迄も鳥の顔が画面一杯位の時の事であり、鳥の顔が画面の半分以下なら何の問題も無く確りと瞳に合焦されて呉れる。
結局のところ各メーカー共、そこ迄近寄って鳥の顔を写す事を想定していないのではなかろうか?
上の写真は顔が略真横向きなので瞳孔や虹彩に合焦しているし、被写界深度の浅さも殆ど気にならないが少し角度が付けば嘴はボケボケだ。
顔を大きく撮り出す迄はどの鳥の顔も殆ど同じだろう位に思っていた。
しかし、いざ撮り出してみると個体毎の違いの大きさに驚くばかりで、とても新鮮な体験が出来た。
勿論、景色の中に小さく溶け込んだ野鳥の姿の写真も好きだが、狭い庭では仲々そうも行かないので、そういうのは他人様に任せて私は顔を大きく撮る事をメインに据える積もりである。













