【映画館】ディア・ファミリー ☆☆☆☆

清武英利の「アトムの心臓」を映画化した作品。主演は大泉洋。

 

 小さな町工場を経営する坪井宣政は、生まれつき心臓疾患のある幼い娘・佳美の余命が10年と宣告されてしまう。理不尽な現実に絶望した彼は、誰にも頼れないならと自分の手で人工心臓を作ることを決意する。

 

 実話を基にした美談。

 本人は”坪井”ではなく”筒井宣政氏。主な流れは映画のままで、心臓に疾患を患っている次女は23歳まで生きたらしい。

 ご本人や次女の方の写真はネットで検索をすると出てくるが、ご本人は大泉洋とは似てはない。作中工場で主人公を支えるベテランの社員が出てくるがその方の方が似ている。

 

 作品は余計な手を加えずストレートに物語を語っていて、特にラストに関しては無駄にドラマティックにしようとかの”あざとさ”がない点よかった。

 登場人物も基本的に悪人はおらず(悪者役の一人を除く)、みんなが主人公の不屈の頑張りに共感し、応援するという関係性になっているのでそこも安心して大泉洋に感情移入して見ることができ、普段はあんまりないんですが不覚にもヤマ場でちょっと泣いてしまった。大泉洋が主役ということで変にコミカルなシーンを入れなかったのもいい。

 

 ということで、

 映画の作りとして傑作とかそういうものではないんですが、美談として「見ておいてよかった話」という意味でオススメ。明日から頑張って生きようという活力が与えられる作品。原作もちょっと読みたくなりました。