【amazonprime/U-NEXT】ザ・フラッシュ ☆☆☆☆

DCコミックのスーパーヒーロー、フラッシュの冒険を描くSF超大作。

 

 ネットでは思ったより興行成績が良くなかったとされる本作。さっそく配信に登場しました!(1980円也)

アマプラでは”冒頭映像”なる無料動画が出ていますが、映画冒頭にあった町での人命救助シークエンスではなく本筋の冒頭10分なため、これを観て「続き見よう!」となるかなぁとは思います。

 

 フラッシュことバリー・アレンは母親の死を回避するために超能力を使い過去へと遡る。

 しかし母の死を回避したことで世界線が変わってしまい、世界に思わぬ悪影響が訪れるのだった。

 

 「高速で走る能力」というのは割とオーソドックスな発想で古今東西の神話や民話に早く走るキャラクターはよく登場する。日本にも「韋駄天」という神様がいる。おそらく当初はそんなシンプルなヒーローであったフラッシュだが、アインシュタインの相対性理論の発表によって「光速を越えると時間を逆行する」という発想が生まれた。

 そしてフラッシュには「すごく早く走れる」という他に「時空を越えることのできるヒーロー」という”再解釈がされたのだった。

 

 さて、前作「ジャスティス・リーグ(スナイダーカット)」で時間の逆行を披露したフラッシュだが、大人の制止も聞かずに利己的に「過去の改変」に乗り出してしまうのは「スパイダーマン:ノーウェイホーム」と同じ。

 その結果、母親が死ななかった世界線が生まれたが同時に世界はマズい方向へと改変されていた。

 

 予告編ですでに明かされているように、ティム・バートン版のバットマン(マイケル・キートン演)、スーパーガール、もう一人のフラッシュなどが登場して楽しい映画(144分)。

 しかし肝心な部分、「フラッシュが早く走れる仕組み」や「フラッシュが過去を改変するシークエンス」についてはなんだか抽象的なシーンになっていてどうもピンとこないという印象でした。過去が同時に映像化されるシーンはなんか「インターステラー」や「ドクター・ストレンジ」みたいな映像表現。わかったようなわからないような。

 

 またいろいろとお騒がせなエズラ・ミラーですがさすがDCが擁護しただけあって、やはり今回のフラッシュはエズラ・ミラーあってのキャラクターだなって思います。

 小ネタで「もう一つのバリーの世界での『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主役を演じているのがエリック・ストルツ」というのがあるんですが(本当はマイケル・J・フォックスが主演)、これは有名な「エリック・ストルツで撮影を始めたが途中でマイケル・J・フォックスに主演交代した」と言うのが元ネタになっています。つまり「マイケル・J・フォックスに交代しなかった『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の世界線」。

 これも「やっぱり『BTTF』といえばマイケル・J・フォックスでしょう」というのと「やっぱりフラッシュはエズラ・ミラーでしょ」というのを掛けているようにも見えます。

 

 このように「BTTF」ネタとかバットマン過去作ネタとかいままでたくさんのSF映画を見てきた人にはワクワクする小ネタ満載ですが(あの方のスーパーマンやあの方のバットマンなど)詰め込みすぎて上映時間がひたすら長くなる風潮は何とかしてほしい、そんな気もしてきますね。ただし映画館で見る価値はあります。