サイレントトーキョーがNETFLIXに登場したので再録。

 そんなにオススメというほどではなかったものの、暑いので冬の映画はまぁ涼めていいかも。

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 薄っぺらい!

 

 めちゃくちゃ手間暇の掛かっている海外ドラマや映画を見ていると、もうこの手のいわゆる”テレビ屋映画”では満足できない体になってしまっているんですね。

 

 クリスマスの東京を舞台に、謎の犯人による連続爆破事件を描いたクライムサスペンス映画。

 

 クリスマスを小道具にしたクライムサスペンスと言えば踊る大捜査線のスピンオフ「交渉人・真下正義」を思い出しますが、この映画の監督も踊るシリーズに関わっていた人なんですね。だからか。しかも電通が制作にかかわっている。

 

 暗い過去を背負った犯人(佐藤浩市とか)、このご時世ヘビースモーカーのやさぐれた刑事(と書いて”デカ”と読ませる。西島秀俊)、事件に巻き込まれる市民代表(広瀬アリス)、何も考えていない若者代表(あのちゃんやyoutuber)などなどあまりにもわかりやすいキャスティングで物語は「なんだか深い意味がありそうな雰囲気」で進みます。

 とはいえ、最後まで見てもなんだかピンとこないんですが(いろいろと?がわいてくる)、おそらく物語中盤で行われる”渋谷の事件”を描きたかったんだろうなぁと思います。

 この辺が「ハロウィンに渋谷で馬鹿騒ぎしているバカな若い連中、まとめて爆弾で吹き飛ばねぇかな」みたいなネガティブな感情をまさに映像化するというおっさんたちの後ろ暗い欲望が見られてそこそこ気持ち悪いわけですが、おそくらくこの監督の師匠である本広監督自身がこういう映画を撮ってる人なので仕方ないとも言えます。

 

 まぁちょっと真面目に考えると、この映画はタイミングがじゃっかん悪かったですね。

 コロナは反映されていないし、話しの根幹に関わる総理大臣の「日本に軍隊を持つ」というそのモデルとなった阿部首相はすでに退陣している。実際の日本と、この映画の描いている「あったかもしれない2020年のクリスマス」にギャップがあり、そういう意味でSFっぽい架空性が醸し出されています。

 

 ということで、

 今旬の俳優さんたちのカッコいいところ、泣かせる演技を観たいなら見てもいいですが、ちゃんとしたサスペンス映画を観たいならNetflixとかのいいドラマを見た方がいい、って感じでした。