2008年。アメリカ。'Sunshine Cleaning'.
  クリスティン・ジェフズ監督。
 『リトル・ミス・サンシャイン』のスタッフによって製作された小資本の映画でアラン・アーキンとメアリー・リン・ライスカブが再び出演している。
 エイミー・アダムスとエミリー・ブラントという今もっとも注目を集めている二人の女優が主役の姉妹を演じていることがこの映画の魅力の大部分を占めていた。
 『カポーティ』のペリー・スミス役で強烈な印象を残したクリフトン・コリンズ・Jrも重要な役どころで出演していた。
 音楽はマイケル・ペン(エイミー・マンの夫でショーン・ペンの兄。『アイ・アム・サム』や『マグノリア』など)が担当で、カントリー風だったりブルースだったりビーチボーイズ風の女性コーラスだったりするロックの曲が使われている。
 青い空と白い雲と音楽がさわやかな印象を与えていたが、内容はアメリカ版の『男はつらいよ』みたいなもので、女性二人が主人公なので『女はつらいよ』という感じの作品に見えた。
 最近だと『大阪ハムレット』と似た感触があった。

 『リトル・ミス・サンシャイン』に感動した人には同じような感動を与える作品だったと思う。『リトル・ミス・サンシャイン』を良い映画だと思いつつも何かしら違和感を感じた人には再び違和感を与えてしまうような気もする。
 『リトル・ミス』と比べてちょっとどうかと感じる点は脚本に物足りない点があるような気がするところだった。ただしこの映画は脚本がすばらしいと評判の作品なので違うかも知れない。
 『24』のクロエことメアリー・リン・ライスカブが不機嫌そうな表情は相変わらずながら『リトル・ミス』のときより出番が増えてせりふも多くなったのは良かった。
    IMDb         公式サイト(日本)
映画の感想文日記-cleaning2
 高校時代にチアリーダーだった栄光を忘れられずにいる女ローズ(エイミー・アダムス)、30代の今はシングルマザーで家政婦で息子を養いながら不倫を続けている。不倫相手の刑事を演じるスティーヴ・ザーンという俳優がなかなか良かった。
 アルバイトが長続きしないミス・ネガティブの妹ノラ(エミリー・ブラント)とともに事件現場の清掃業「サンシャイン・クリーニング」を創業する。
 二人の演技派女優の超ダメ人間演技が最大の見どころだった。
映画の感想文日記-cleaning3
 1970年代のアメリカン・ニューシネマを連想させる登場人物ばかりだった。ダメさ加減は『ファイブ・イージー・ピーセス』のジャック・ニコルソンや、『真夜中のカーボーイ』のジョン・ボイトやダスティン・ホフマンに匹敵する。
 匹敵とまではいかないかもしれない。
 『プラダを着た悪魔』、『ジェイン・オースティンの読書会』と心にトラブルを抱えた役が続き、ダメ人間専門の俳優となったかに見えるエミリー・ブラントが今まででもっとも痛々しいダメ女を演じる。
映画の感想文日記-cleaning1
 姉妹が持つ母親についての悲しい思い出や、クリフトン・コリンズ・Jrとのエピソード、父親(アラン・アーキン)や息子(ジェイソン・スペヴァック)とのことなど、どれも完全には解決しないままに何となくハッピーエンドになってしまったような印象があった。
 90分でおさめるには無理があったか。渋好みの演技派俳優の名演技を楽しむ映画としては出演者の全員がすばらしかったので見どころは多い。

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