【すんも賞を狙え!!】今まで一番泣いた映画は? ブログネタ:【すんも賞を狙え!!】今まで一番泣いた映画は? 参加中
1941年。アメリカ。"HOW GREEN WAS MY VALLEY".
  ジョン・フォード監督。
 ウォルター・ビジョン、モーリン・オハラ、ドナルド・クリスプ、ロディ・マクドウォール、その他出演。

 今日はレイトで『感染列島』か、『大阪ハムレット』を見ようかと思ったが、やめて帰宅した、これは教養人になるための第1歩として好ましい傾向だろう。この調子で映画依存症から抜け出していこうと思う。
 ついでにタバコもやめるよう努力したいが、映画館は禁煙なので吸わないですんでいた分が逆に増加している。これは良くない傾向だろう。

 映画館で泣くのは恥ずかしいことだという固定観念のせいか、ほとんど泣いたことはなく、たまに周囲の人々の雰囲気につられて、涙が出ることはあったが、「ふん、この程度で泣くとはね!」という意味のない優越感にひたっていたりすることが多い。
 ほとんど唯一の例外がこの『わが谷は緑なりき』だろうと思う。
 これは映画館ではなく、市民センターの500円上映会のようなもので見た映画だった。

 映画の冒頭で、成長して牧師となった主人公の青年が生まれ育った村を去ろうとしている。どうやら不況で鉱山が閉鎖されてしまうらしい。
 青年のモノローグが流れ、「私の知っている人々はみんな死んでしまった。今は私の記憶の中にだけある。」と言い、続けて「いや、彼らは生きている。私が思い出すたびに、思い出の中で彼らは生きているのだ。」と語り、そこから青年(中年かも知れない)の回想物語へ場面が切り替わってゆく。
 青年の言葉はそのまま、この映画にも当てはまる。
 今から70年近く前に製作されたこの映画の関係者は、モーリン・オハラ(今年89歳)以外はおそらく全員死んでしまっている。しかし、この映画の中にすべての人々が生きていて、見る者を感動させることが出来る。

 ジャンルでいうと、【号泣映画】とでもなるのだろうか、泣ける映画がすぐれているわけでもないので、ジョン・フォードの映画の中では、これより『リバティ・バランスを射った男』や、『捜索者』、『三人の名付け親』などがすぐれているような気がする。
 【号泣映画】といえば、ダグラス・サーク監督の『悲しみは空の彼方に』や、『天が許し給うすべて』や、『心のともしび』などがより多くの人々の涙を誘うのかも知れない。
 この『わが谷は緑なりき』の上映会のときは、文字通りに号泣する人々の嗚咽の声が場内に響きわたり、異様な雰囲気だったが、これまでの経験でこれほど泣き声が大きかった映画はない。
 周囲に座っている人たちの影響もあったのか、人目もはばからずに泣きつづけた映画はこれ1本しかないので、特に印象深かっただけかも知れない。

 『私の頭の中の消しゴム』や『ニューシネマ・パラダイス』などで泣く人たちを見て、「あほか、この程度で感動するんかい、映画配給会社の良いお得意さんですな。」という皮肉っぽい私のような人間でも、この『わが谷は緑なりき』には、「参りました、涙が止まりませんが。」と言いたくなるようなパーフェクトな映画だったことは間違いない。
         IMDb
映画の感想文日記-howgreen1
 英国ウェールズ地方の炭鉱で働く人々の物語。オープニングから炭鉱労働者のコーラス隊による美しい賛美歌のような歌で始まり、2度目に見る人の中には素晴らしいオープニングで泣き出す人も少なくないらしい。
 アカデミー賞の6部門を受賞している。
映画の感想文日記-howgreen2
 物語の語り手となる少年ヒュー(ロディ・マクドウォール)。気が優しくていじめられっ子だったヒューの成長物語にもなっている。
 ヒューと姉のアンハード(モーリン・オハラ)とが、谷間で歌うように声をかけあうシーンはあまりに美しすぎて夢のように素晴らしい。
 この映画で子役スターとして人気絶頂となったロディ・マクドウォールがその後、スランプで苦労して『猿の惑星』の猿役で復活するとは誰も予想しなかったことだろう。1998年にがんのため70歳で亡くなっている。(遺作は『バグズ・ライフ』の声優だったらしい。)
映画の感想文日記-howgreen4
 牧師のグラフィード(ウォルター・ピジョン)とアンハードとの恋愛悲劇のエピソードが今となっては、もっとも印象に残っている。
 アンハードを愛していながら、貧しい暮らしのために金持ちと結婚するように説得するグラフィード牧師の心情は、アンハードの結婚式の様子を丘の上から見るロングショットの素晴らしさによって、完璧に伝わってきた。
映画の感想文日記-howgreen3
 偉大な父親(ドナルド・クリスプ)を尊敬するあまり、両親の反対を押し切って父の跡を継いで炭鉱夫となったヒューだったが、そこでヒューは父の死を看取ることになる。
 その後、どういう経緯でヒューが牧師となったのかは省略されていた。
映画の感想文日記-howgreen5
 DVDを買ったので、いつでも見直すことができるが、結局まだ見ていない。(値段の安いものは画質が悪いので要注意。)