2006年。フランス/ルーマニア。"ILS".
  ダヴィッド・モロー&グザヴィエ・パリュ監督。
 ルーマニアの人里離れた郊外の広大な屋敷に住むフランス人の若い夫婦、フランス人学校で教師をするクレモンティーヌ(オリヴィア・ボナミー)と、夫で作家のリュカ(ミヒャエル・コーエン)、

 3階建てで部屋数は30くらいありそうな古い大邸宅に住んでいるが、購入したのか、賃貸なのかははっきりしない。
 ふたりとも25歳前後で、お金持ちではなさそうなので、おそらく賃貸なのだろう。あるいは二人の実家のどちらかが大富豪で、子どもに結婚祝いとしてプレゼントしたのかも知れない。5億円前後か、場所や建物の古さを考えると、もっと安いのかも知れない。

 ある夜、ふたりの住む屋敷に「何か」が侵入してくる。それが何なのか、わからないままに、死の危険を感じたふたりが逃げ続けて過ごした恐怖の一夜を描いたスリラー映画。

 CGも特殊メイクも全くなしに作られているところには好感を持ったが、何となく『おそるべき子どもたち』のスリラー版みたいな感じもあって、ラストはアンジェイ・ワイダ監督の『地下水道』ネタで終わる、
 という、学生映画コンクール最優秀賞受賞作品みたいな、きちんとしているけれど、何か物足りない、という印象があった。

 前半のふたりが仲良くじゃれ合いながら食事をしたり、会話をしたりする場面が、きちんと出来ていたので、後半の徐々におそろしくなってくる展開には期待したが、
 だんだんありふれたものになってきて、『ブレアウィッチ・プロジェクト』みたいなこわさは少しあったが、ラストシーンはいまいちだった。
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 疲れて帰宅したクレモンティーヌに夕食を作ってやる優しい夫のリュカ、クレモンティーヌは料理の味にちょっと不満がありそうで、リュカは妻の態度に怒ったふりをするが、愛し合っているふたりなので、けんかにはなりようがない。
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 「そろそろ寝ようか。」
 「そうね。」
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 深夜にクレモンティーヌは不気味な音を聞いて眼を覚ます。
 「何かが外にいるわ。」「ぼくが見てくるからここにいて。」
 何者かが車(ボロいシトロエン、みたいな車)を盗んで逃げ去った。
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 「何か」は屋敷の中にも侵入している。足をけがしたリュかは恐怖に駆られて逃げる。
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 殺されるかも知れない。
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 はずれたドアノブから外をのぞくと、『サンゲリア』 みたいにとがった釘が飛び出してくる。
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 こうなったら、逃げられるだけ逃げ続けるしかない。
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 殺されるかも知れない。
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 後ろに「奴ら」がいる。
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 『地下水道』(1956年。ポーランド)(NHK-BS2で放送はあったが、まだDVD化はされていない。)のまねをしてみせた場面。
 監督ふたりはハリウッドで、タイ映画『The Eye』(オキサイド・パン&ダニー・パン監督)のリメイク版をジェシカ・アルバ主演で製作(日本公開は11月)したが、めちゃくちゃに評判が悪いので、ほとんど期待はできない。
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