2008年。中国。"CJ7". "CHEUNG GONG 7 HOU".
チャウ・シンチー監督。
 日本語吹替え版のみでの上映だったので、怪しいとは思いながら、事前に資料などを調べずに見たら、
 この作品はお子さま向けのSFファンタジー系の教育映画を目指して製作されたもののようだった。
 かわいいが、ドラえもんのようには役に立たない子犬のような地球外生命体らしきもの(ミラクル7号とか、ナナちゃんと呼ばれる)が巻き起こす騒動を通して、学校で勉強することの意味を問い直す物語。

 製作・脚本・監督・出演を兼任するチャウ・シンチー(周星馳)のセンスなのか、お子さま向けにしてはグロテスクに思われる場面もあったりして、大人の鑑賞にもたえられるような映画になってはいたが、
 子どもはグロテスクなものが大好きだという面もあるので、完全にお子さまをターゲットにした映画だったのかも知れない。
 ナナちゃんをキャラクター商品として売り出して副収入を得ようという魂胆が配給会社か、チャウ・シンチー本人かにあるようにも見えるので、面白かったが、ちょっとどうなのか、という気もする。

 主人公のディッキー少年(シュー・チャオ)の豊かな喜怒哀楽の表情の変化が面白いので、後で調べて、この少年がオーディションで選ばれた女の子だったことには、ちょっと驚いた。
 ディッキーに恋する巨大な少女マギーを演じるのは大人の男優(レスラーらしい)で、ディッキーをいじめる腕力のある同級生の少年を演じるのが大人の女優だった、ということにもキャスティングの能力にさえたところがあるように見えた。
    IMDb         公式サイト(日本)
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 毎日の食事にさえ不自由する貧しい生活ながら、父親(チャウ・シンチー)の、子ども時代の教育がもっとも重要だ、という考えに基づいて有名私立学校に通うディッキーだったが、
 学校では貧乏さのためにいじめられていた。
 ある日、父親が拾ってきたゴムボールのようなものから出てきたかわいい子犬のようなものに、ディッキーは、ナナちゃんと名づけて、ドラえもんのような特殊能力を使っていじめっ子たちを退治したり、テストで100点をとったりすることを夢想するようになる。
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 なぜかディッキーに優しく接して、気にかけているらしい美しいユエン先生(『少林少女』にも意味なく出演していたキティ・チャン)。
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 ディッキーの願いが通じて、ナナちゃんが数々のミラクルを引き起こし、ディッキー少年は学校でヒーローのようになる、というのは全部夢だった、という場面から、
 再び、夢で見た場面が繰り返され、今度は何もうまくいかずに失敗を繰り返す。
 事態は思わぬ展開を見せて、ついに最悪の悲劇が訪れる。
 後半は、かなりなアナーキー状態に突入する。
 この映画を見ていて、『少林少女』もチャウ・シンチーが監督していたら、全く別の素晴らしい映画になっていたのかも知れない、と思われた。
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 巨大で不気味さのただよう少女マギー(ハン・ヨンホア)は、ディッキーへの純愛に生きる乙女だった。
 ディッキーがいじめられているのを、巨体とカンフー技みたいなものを使って救助する。すると、倒されたいじめっ子がマギーに恋をする。
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 少年ギャング団みたいないじめっ子グループのキャラクターも面白かった。
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 差別的な言動を繰り返すカオ先生(リー・ションチン)も、ディッキーの夢想の中では悲惨な目にあう。
 ファンタジーのようで、現実的な面もある終わり方も、こつこつと勉強する以外には何も良いことなど訪れないという具体的な教育のメッセージだったが、それまでの展開がアナーキーだったので、あまり教育的効果は期待できないかも知れない。
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