2007年。Universal."EVAN ALMIGHTY".
トム・シャドヤック監督・製作。
 ジム・キャリー主演の『ブルース・オールマイティ』という、ぜんぜん笑えなかったすべり倒しコメディの続編。監督が前作と同じなので期待は持てなかったが、今ではジム・キャリーよりコメディ俳優としては面白い存在のスティーヴ・カレル主演というので、少しは面白いかと思ったら、
 これはアメリカ国内の観客のみに向けて作られた作品で、東洋の観客層など視野に入っていないので、ほとんど笑うような場面はなかった。
 この映画自体が、一応コメディだが、ヒューマン・ドラマの要素が強く、笑わせることを目的にはしていないようにも見える。それでは何を目指そうとしたのか、というのが、どの要素も中途半端で、はっきりとわからない、という奇妙な作品になっている。

 スティーヴ・カレルがいなかったら、相当に退屈な映画になってしまっていたような気がする。コメディ俳優は運動神経がすぐれていないとダメだということは、スティーヴ・カレルの軽快なフットワークを見ているとよくわかる。
 無駄に大きな予算を使った大洪水のシーンや、動物たちのシーン、ノアの箱舟の建造の過程など、ダラダラとひまつぶしに眺める映画としては、ちょうど良いような気もした。
   IMDb
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 人気ニュースキャスターから、「世界を変えよう」をスローガンにして下院議員になったエバン(S・カレル)のところへ、ある日、神(モーガン・フリーマン)が現れ、「洪水が迫っている。箱舟を作りなさい。」と告げる。
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 最初は神のお告げを相手にしなかったエバンも、彼の身の回りで不思議な現象が次々に起こることから、信じざるを得なくなり、強制的に箱舟を作らされるはめになる。
 スティーヴ・カレルは、やはり、『俺たちニュースキャスター』や『40歳の童貞男』 などのジャド・アパトウと一緒の仕事のときが面白い。
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『パイレーツ・オブ・カリビアン』を沈没させ、『ボーン・アルティメイタム』より長い間上位にあったメガ・ヒット・コメディ、『スーパー・バッド』が、予想通りにDVDスルーになってしまったが主演のジョナ・ヒルが出演していた。
 他に、ジョン・グッドマンが悪徳議員役、ワンダ・サイクス、ジョン・マイケル・ヒギンズ等が出演している。
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 髪型や衣装まで神によってノアの姿にさせられたエバンを、家族(ローレン・ギリアム、その他)は議員になったプレッシャーからうつ病になったと思い込むが、やがて彼とともに箱舟の建造をするようになる。
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 洪水の特殊撮影はかなりの迫力があって、相当金がかかっている。洪水の原因はばかばかしいものだった。
 アメリカでは初登場第1位を記録しているものの、その後伸び悩み、期待された興行成績は達成していない。これを見れば、それも納得できる。
 脚本がつまらないのが、致命的で、製作会社が、こんな脚本で客が呼べると思ったことが信じられない。
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
エバン・オールマイティ
Original Soundtrack
Evan Almighty