2006年。GhostHousePictures. "RISE: BLOOD HUNTER".
セバスチャン・グティエレス監督・脚本。
 ルーシー・リュー、『ファンタスティック・フォー』のマイケル・チクリス主演による吸血鬼退治の物語。
 その他の出演者も、ロバート・フォスター、マリリン・マンソン、ジェームズ・ダーシー、カーラ・グギーノ、サマイア・アームストロング、マコ等と、意外と有名俳優がそろっている。
 マリリン・マンソンはどこに出たのかと思ったら、両腕にタトゥーを彫った酒場のバーテンダー役で、すっぴんで出ていたのでわからなかった。記憶では、エドワード・ノートンを線を細くした感じで、けっこうハンサムだったような気がする。ルーシー・リューに情報を提供するだけのチョイ役で、出演時間は1分程度だった。
 ゴースト・ハウス・ピクチャーズの昨年の製作だったが、ホラー映画というより、犯罪捜査官ものの映画みたいな雰囲気で、こわさはほとんどなかった。

 吸血鬼をマフィアに置き換えれば、家族をマフィアに殺された主人公が、単独でマフィアを皆殺しにするストーリーに似ている。
 この作品の場合は、殺されたのが、主人公自身で、吸血鬼となってよみがえった主人公が、吸血鬼一族を皆殺しにしてゆく。
 途中で、娘を殺された刑事と合流して、二人のちょっとした友情物語みたいなものがあるのが面白かった。
 主人公自身も吸血鬼になっているので、血を求めてしまう習性があり、悩み苦しむ主人公に、刑事が、最後を締めくくってやる場面がクライマックスになっている。
     公式サイト(日本)
 IMDb
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 LAウィークリーの売れっ子ライター、セイディー(ルーシー・リュー)は、謎のカルト集団を取材するうちに、集団がヴァンパイアで、連続猟奇殺人を繰り返していることを知るが、彼女も殺されてしまい、
 目覚めた場所は死体安置室の中だった。
 娘をヴァンパイアに殺された刑事ローリンズ(マイケル・チクリス)も執念で捜査をおこない、やがてセイディーとめぐり合う。
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 ヴァンパイア集団のリーダー的な、ビショップ(J・ダーシー)と、イヴ(カーラ・グギーノ)。吸血鬼らしく、美男美女で優雅で高貴な雰囲気だが、やることはえぐい。彼らがおこなう残酷シーンのためにR-15指定になっている。
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 犯罪組織を滅ぼすことと、復讐という共通の目的によって、次第に友情のような、家族愛のような感情で結ばれてゆくセイディーとローリンズ刑事とのエピソードに、もう少し印象深いものがあれば、この作品はすぐれたものになったような気がするだけに、ちょっともったいなくも思われた。
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 ヴァンパイアを全滅させるつもりでも、自分もヴァンパイアの一人でもあるセイディーは、我を忘れて人を殺して血を求めてしまうのだった。
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 最強の敵、ビショップは簡単には始末できず、逆に捕らえられて、血をしぼり取るために逆さ吊りにされる。
 こういった場面があるから、セクシー・ホラーという宣伝がされているが、実際は、ルーシー・リューの全裸が映るわけではなく、このスティール写真どおりに肩までしか映らない。何となくセクシーな場面はあったものの、
 全体に、上品な演出の、ちょっと面白くて、こわくないヴァンパイア映画になっていた。
アミューズソフトエンタテインメント
ブラッド