ドラゴンボール EVOLUTION | にゃ~・しねま・ぱらだいす

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ドコにもダレにも媚を売らずに、劇場・DVDなどで鑑賞した映画の勝手な私評を。

ドラゴンボール EVOLUTION (特別編) [DVD]

【監督】ジェームズ・ウォン
【主演】ジャスティン・チャットウィン、エミー・ロッサム、チョウ・ユンファ
【オフィシャルサイト】http://movies.foxjapan.com/dragonball/

様々な意味で公開前に話題となったご存知名作漫画のハリウッド実写化作品…というか、
『設定や名称だけ借りたまったくの別作品』。大金を払って見る価値はないが、
酒の席でのネタにはなりそうなことからか、レンタル需要は高そう。

祖父と武術の修練を積みながらも学校で使うことを禁止されているゴクウは、
憧れているクラスメート・チチィのパーティーに呼ばれて上機嫌だった。
しかしその間に、『7つ揃えると望みが叶う』よ言い伝えられるドラゴンボールを捜し求める
ピッコロ大魔王によって祖父は襲われてしまい絶命してしまう。
遺言を頼りにゴクウは同じくドラゴンボールを盗まれたブルマと共に、武天老師を探す旅に出る-。

過去ハリウッドに版権を売られ、その商品価値を下げてしまったコンテンツは多数存在する。
…というかむしろ、ほとんどである。民族性の違いなのか、思い入れの差なのか、
ある意味予想通り…時には予想以上に落胆させられることばかりである。

最近ではそれにもすっかり慣れてしまい、『どう酷いのか』『どこまで無茶苦茶なのか』を楽しむ
S心まで喚起させられるようになって、それはそれでこの手の映画の『味』であるようにも思えてきた。
そういった意味では、この作品は『GODZILLA』に匹敵するネタ映画として秀作の部類である。

結局、1)ドラゴンボールを揃えると願いが叶う。2)それを集めて世界制服を狙うピッコロ。
3)それを阻むゴクウと亀仙人…という勧善懲悪の図式の設定だけを引用したかったようであり、
やたらブサイクなヤムチャ、キャラに無理感のあるブルマ、女忍者にさせられた田村英里子など、
名前だけ原作を借りた形で、役割や性格付けも無視されたものばかり。
ならば、いっそ『ドラゴンボール』の名前を冠せず『セブンボール』とかバッタモノとして上映した方が、
興行的に成功したのではないか、とも勘ぐってしまう(訴訟に発展する可能性は否めないけど)。

おそらく製作中に様々な批判や意見もあったのだろう。ダメ出しも多かったのだろう。
日本側は『作品に口を出さないこと』が条件に盛り込まれていたのだろうが、圧力をかけたのかもしれない。
尺は1時間半弱とミニドラマ並みだし、予算不足なのか美術やCGも酷いレベルだ。
後半になると、スタッフもキャストも責任を放棄したかのような付け焼きっぷりも目立つ。

それでも日本人なら見ておいて損も得もないが、後世ネタになりそうな1本ではある。
そんなワケで映画としては間違いなく『時間のムダ』評価だが、★を1つ付けておくこととするw


【評価】
★☆☆☆☆