デトロイト・メタル・シティ | にゃ~・しねま・ぱらだいす

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ドコにもダレにも媚を売らずに、劇場・DVDなどで鑑賞した映画の勝手な私評を。



【原作】若杉公徳
【監督】李闘士男
【主演】松山ケンイチ、加藤ローサ、松雪泰子
【オフィシャルサイト】http://www.go-to-dmc.jp/

『ヤングアニマル』掲載中の大人気コミックが今はときめく松ケン主演で実写化。
コメディとはいえ罵詈雑言が誌面を賑わすこの手の漫画がメジャーになり映画化するなんて、
世の中何かが可笑しい。そもそもデスメタルってアングラだから存在価値があるのだろーしねぇ。

大分の素朴な農家の長男として生まれた心優しき青年・根岸崇一は、オシャレな渋谷系
ミュージシャンになることを夢見て上京した。憧れのキャンパス、素敵なカフェ…。
彼の眼前には夢あふれる未来が待っている筈だった。『デスレコード』の門戸を叩くまでは。

数年後。彼は悪魔系デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」(通称DMC)のフロントマンとして
奇抜なメイクと過激なパフォーマンスでインディーズシーンを席巻する存在となっていた。
カリスマ的な人気を誇るヨハネ・クラウザーII世の顔とは裏腹に、オシャレ系のミュージックシーンを
追いかける根岸崇一としての自分は今一つ。その狭間とギャップで彼は日々苦しんでいたのだった。

そんな折、大学時代憧れだった相川さんにばったり再会してしまう。
DMCを完全否定する彼女の前で、自分がクラウザーさんだとは言い出せない根岸。
かくして、正体を隠しながら活動を続けるクラウザーさん=根岸の泣き笑いの奮闘は続く-。

漫画原作の作品で評価が二分されてしまう典型的なパターンは『原作とまったく違う』ことだが、
映画的な解釈、倫理等の点である程度は加減されているものの忠実な部類に入ると言って良い。
根岸君のキモチ悪さとクラウザーさんのコミカルでありながら圧倒的な存在感がある姿を
松山ケンイチが好演している。特徴のあるキャラクターを演じさせたら、同世代ではやはり突出。

しかし何より特筆すべきはそのプロモーション。
劇中に登場する『デスレコード』なるレーベルを立ち上げ(るフリをし)、DMCの楽曲だけではなく
ライバルバンドや挿入歌なども全て再現。実際の音は決してデスメタルはおろかメタルでもないが、
『一般販売に結び付けられるギリギリのハードさ』という一定レベルの水準を保っている。
コアなファンは納得できないかもしれないが、メディアへの露出やセールスという観点から考えると、
大英断だったと言って良いだろう。メ○豚やらレ○プやらなる猥褻な言葉が並ぶ如何わしい商品が、
街のレコード屋に並ぶ時代がまさか来るとは思わなんだ。

一番最低だったのは、
劇場でやたら甲高い声で大笑いを連発するオサーン。

オマエの笑いのツボはどれだけ浅いんだ。連れのオンナもドン引きだったぞ。
くれぐれもコメディ映画は周囲に迷惑をかけないようにタイミングを合わせてうまく笑うこと。
これ、正義の味方・デラックスファイターからのお願い☆


いろんな意味で病んでる現代社会と歪んだメディアの縮図を感じる作品で万人受けとはいわないが、
若い連中の傾向とツボを掴んでおくのには良いマーケティングケースになるようなならんようーな。

【評価】
★★☆☆☆