ルパン三世 - カリオストロの城 | にゃ~・しねま・ぱらだいす
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- ルパン三世 - カリオストロの城
【監督】宮崎駿
- 【主演(声)】山田康雄、小林清志、増山江威子、納谷悟朗、島本須美
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- 最早説明不要なジャパニメーションの枠を越えた大冒険活劇映画の傑作。
今更のレビューではあるが、期せずして何十回目かの鑑賞を果たしてしまった以上せっかくなので。
世界に誇る巨匠宮崎駿初監督作品であり、個人的には最高傑作の評価。
- モナコの国営カジノの大金庫から大量の現金を盗み出すことに成功したルパンIII世。
- しかし、その札束は全て『本物以上』という精度を誇るゴート札だった。
ルパン達はこの偽札を次のターゲットに定め、ヨーロッパの小国カリオストロ公国に乗り込む。
珍道中のさなか、彼らの傍らを猛スピードで駆け抜けていく2台の車。
- 追われているシトロエン2CVの運転席にウェディングドレスを着た少女を見つけたルパンは
- 彼女に加勢し追っ手を撃退することに成功するが、結局彼女は別働隊に攫われてしまう。
彼女の残した銀色の山羊の紋章を見たルパンは、かつて自分を救ってくれた少女を思い出す。
かくして『悪い魔法使い』カリオストロ伯爵からクラリス王妃を盗み出す『泥棒』との激戦が始まった-。
映画には流れというものがあり、冒険活劇の重要な要素として『飽きをこさせない』ということがある。
スピーディーな導入部から、一気に盛り上がりを狙うカーチェイス、小洒落た台詞でのやりとりを経て、
一度目の敗北から逆襲へのくだり…。この作品のプロットにはその全てが淀みなく繋がっている。
既に初公開から四半世紀を経過しているが、未だにその完成度はまったく色褪せていない。
しかし、この作品は一連のルパンシリーズとしての評価では異作であるということは間違いなく、
むしろ『ルパンの題材を借りた』宮崎作品というイメージの方が強い。
彼の作品ではお馴染みの名車や重火器、レトロモダンな飛行機、気が強いながらも可憐なヒロインなど、
後の名作たちで繰り返し多用されるモチーフが多く潜んでいる。
ルパン自体のキャラクターもオトナ…というか今でいう『チョイワルオヤジ』的な味付けになっており、
低年齢層向けにシフトした新シリーズより、旧シリーズのアダルトな印象が強い。
ともかく見たことがないという映画ファンの風上にも置けない御仁は必ず見るべし。
必ず『気持ちの良い』彼らのパーソナリティに『心を盗まれる』であろうこと間違いなし。
- 【評価】★★★★★