1906年、辛亥革命前夜の香港、腐敗した清朝の打倒を目指す孫文が香港を訪れ、武装蜂起の密談に臨む情報を入手した活動家の陳少白は、同時に清朝政府が刺客を派遣したことも知る。少白は孫文を守るために護衛団の結成に奔走するが、集まったのは町の豆腐売りや車引き、物ごいに身を落とした武術家など、名もない民間人たちだった。
8人の名もなき男達と500人の清朝暗殺団。
この設定を聞いただけで、血湧き肉踊るアクション映画を期待するが、期待を裏切らない壮絶なアクション超大作だった。
しかしただのアクション映画ではない。
清朝打倒の為に革命を起こそうとする孫文と、孫文暗殺の為に西大后が放った刺客。
実話かどうかには触れてないが、史実としてあってもおかしくない当時の社会情勢だったのだろう。
その史実に裏付けされた設定なので、孫文を狙う刺客、守る民間人の「志」「想い」が痛いほど伝わってくる。
中国建国の元になった辛亥革命前夜の香港の緊迫した社会がよくわかるので、歴史ドラマとしても十分見応えがある。
そんな中の「名もなき市井の8人」が、祖国の為に身を賭して戦う姿は胸を打つ。
今回、釜山に旅行して興味深い話をガイドさんから聞いた。
旅行前日に釜山市内で大規模な停電があったそうだ。
その時、日本人なら「また地震か?」と思うだろうが、韓国人は「戦争が始まったか?」と思ったと言う。ほとんどの人が「北朝鮮が攻めて来たか!」と思ったらしい。
こんな韓国の現実が私たち日本人には信じられないだろう。
そう、韓国はいまだにいつ戦争が始まってもおかしくない「臨戦状態」なのだ。
韓国の若者には徴兵が義務づけられているのは日本人でも知っているだろう。
そういう目で見てみると、韓国の若者達はみな屈強で、鋭いまなざしを持っているように見える。
彼らにはいつ戦争が始まっても、祖国の為に命をかけて戦う「覚悟」が出来ているのではないだろうか。
それはおそらく、中国でも香港でも台湾でも、若者達は同じ「覚悟」が出来ているのではないだろうか。
では我が祖国・日本はどうだろう。
日本の若者にそんな「覚悟」があるだろうか?
この国がそんな「覚悟」を持たなくなってから、どのくらい経つだろう。
この国はこのままでいいのだろうか?
この映画の名もなき8人の壮絶な生き方を見ながら、そんなことを考えさせられた。