6月18日に、フランスの女優アヌーク・エーメが逝去しました。
ここに、追悼の意を表し、彼女の作品についての投稿いたします。

なお、この作品には、6月19日に生誕92周年を迎えたピア・アンジェリも出演し、華麗な競演を見せてくれます。

 

『ソドムとゴモラ』(1961)
監督 ロバート・アルドリッチ
出演 アヌーク・エーメ、スチュワート・グレンジャー、ピア・アンジェリ、スタンリー・ベイカー
撮影 マリオ・モントゥーリ他

【あらすじ】
旧約聖書に記された、神の怒りに触れ硫黄の火で滅ぼされた町、ソドムとゴモラのエピソードを描いたスペクタクル。
神の指示によって放浪を続けるヘブライ人ロトが、頽廃と驕奢の町ソドムとゴモラにたどり着いた。
ロトは様々な誘惑を断ち切り、滅亡を前にして町を脱出する…


アヌーク・エーメは、国境を越えて多くの映画に出演した女優です。


パリで生まれながらも、高校課程にあたるリセ課程はイギリスで学び、演劇学校に通っています。


弱冠14歳でフランス映画の『密会』(1946)でデビューしていますが、『黄金の龍』(1949)ではイギリス映画に顔を出します。
『奥様ご用心』(1957)で再びフランス映画に戻りつつ、『旅』(1958)ではハリウッド映画に出演します(ただし、オーストリアでの撮影)。

そして、かの『甘い生活』(1959)でイタリア映画に登場します。

 

この『ソドムとゴモラ』は、イタリア映画の映画会社ティタヌスと、フランスの映画会社パテとの伊=仏合作映画ですが、更にはアメリカ人のアルドリッチが監督をしております。

おそらく、フランス語と英語とイタリア語に堪能ということもあり、アヌーク・エーメに白羽の矢が立ったのでしょう。

(なお、主演男優のスチュアート・グレンジャーはアメリカ人、共演のピア・アンジェリはイタリア人、共演のスタンリー・ベイカーはイギリス人となります。)


この多国籍映画にあって、アヌーク・エーメは、29歳ながら女王の役を演じます。

不敵な笑みを始終浮かべているアヌーク・エーメは、美の象徴ではありますが、いわゆる「ソドムとゴモラ」の頽廃と驕奢というイメージからは程遠く、実はミスキャストではないかと思うほどです。

















しかしながら、アヌーク・エーメは、奴隷役のピア・アンジェリとともに、フォトジェニックな美女として、華麗な衣装とエキゾチックな化粧で、観る者を魅了してくれます。



 













やや鈍重な演出の中にあっては、こんな女王もいいのではないかと思えるほどです。

同時代の歴史超大作である『クレオパトラ』(1963)のエリザベス・テイラー、『エル・シド』(1961)や『ローマ帝国の滅亡』(1964)のソフィア・ローレンに比べると、軍配はアヌーク・エーメに上がります。

 

 


 




ところで、この時期の歴史超大作には、以下のようなものがあります:

ハリウッド映画では、『聖衣』(1953)、『十戒』(1956)、『ベン=ハー』(1959)、『キング・オブ・キングス』(1961)、『エル・シド』(1961)、『クレオパトラ』(1963)、『北京の55日』(1963)、『ローマ帝国の滅亡』(1964)。
ヨーロッパでは『戦争と平和』(1956)、『ソロモンとシバの女王』(1959)などがあります。

この時期、欧米ではテレビが普及し、映画館の観客数が激減し、映画製作本数が減り、映画関係者もテレビ業界で働くようになります。
そうした危機を乗り越えるために、スクリーンが大型化し(シネマスコープやヴィスタヴィジョンなど)、それに見合った超大作を作り始めた次第なのです。

残念ながら、それらのほとんどが、壮大な失敗に終わっており、映画産業の衰退を更に加速させてしまいました。
そして、その「大スペクタクル」病は、いまもアメリカ映画を醜く支配しているのです。


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