本日6月19日はジーナ・ローランズの生誕94周年です。
(1930年6月19日生まれ)
『グロリア』(1980)
監督 ジョン・カサヴェテス
共演 ジョン・アダムス
撮影 フレッド・シュラー
【あらすじ】
組織の会計をしていた男が資金を横領した上、情報を売っていたことがバレ、一家もろとも殺された。
生き残った少年フィルを、偶然居合わせたグロリアがいきがかり上預かる羽目になってしまう。
しかし、証拠を記した手帳を持っていたことを知った組織は、二人を執拗に追い詰める。
グロリアとフィルの必死の逃避行が始まった・・・
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ジョン・カサヴェテスと、その妻ジーナ・ローランズとの一連の作品群の1つです。
どれも素晴らしすぎて、どれがいちばんいいと言えません。
ただ、この『グロリア』はいちばんとっつきやすい作品と言えるでしょう。
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物語は、マフィアからの逃避行という実にシンプルなものです。
ただ、中年女性(このときジーナ・ローランズは50歳)が、ニューヨークの街中を拳銃を撃ちながら、鞄をもって少年と逃げ回るという作品は大変ユニークです。
中年女性が見知らぬ少年に対して徐々に抱き始める「母性愛」が決してウェットでない形で、描かれています。
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この作品の最大の魅力は、ウンガロを着たハイヒールのジーナ・ローランズの姿です。
少しいかり肩で、顔もやや四角く、鞄を持つジーナ・ローランズは、いわゆる女性らしい優美さとは離れています。
拳銃を時に両手で持つ姿などには、優美さのかけらもないでしょう。
1980年のニューヨークの治安の悪さを考えると、スニーカーやラフな服装の方が動きやすかったはずです。
あるいはブーツや皮ジャンパーのような、ヘヴィデューティの方がよかったかもしれません。
しかしながら、ジーナ・ローランズのてかりのあるウンガロのスーツの魅力には抗しがたいものを感じます。
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それは、そのスーツが上品に揺れるからです。
ジーナ・ローランズが地下鉄の駅を、少年を連れて走り抜けるとき、ニューヨークの大通りを拳銃を構えながら後ろずさりするとき、彼女のスーツがふわりと揺れるのです。
おそらく、それが官能的です。(言うまでもなく性的な意味ではいっさいありません)
50歳の女性が、マフィアに追われているというのに、鞄を持って、少年を連れているのにもかかわらず、上質なスーツをゆったりと着て、肌を晒すことはなく、その衣裳を揺らすというところに、上質な美学を認めます。
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ニューヨークという街は、カサヴェテスの『ニューヨークの影』(1959)以降、それまでの無視を挽回するかのように、何百回となく映画の舞台となりますが、その乾いた空気を魅力的にとらえた映画は多くはなかったように思います。
オードリー・ヘップバーンの『ティファニーで朝食を』(1961)の冒頭シーンは悪くはないのですが、そこには映画としての運動は特にありません。
それでも、ニューヨークの早朝の空気感だけで、観る者は満足してしまいます。
それから20年後の『グロリア』では、ジーナ・ローランズは、ニューヨークの街を速足で動く女の運動を、魅力的に描いているのです。
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思えば、ジーナ・ローランズとオードリー・ヘップバーンは1歳違いなのです。
その意味で、『ティファニーで朝食を』の32歳の都会の天使を、20年後に50歳のジーナ・ローランズが反復しているのかもしれません。
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