ジュリエット・ビノシュ以降のフランス現代女優を取り上げています。
今日は、メラニー・ロランです。
『オーケストラ!』(2009)
監督 ラデュ・ミヘイレアニュ
共演 アレクセイ・グシュコフ、ミュウ=ミュウ、フランソワ・ベルレアン
撮影 ローラン・ダイヤン
【あらすじ】
劇場清掃員として働くさえない中年男アンドレイ・フィリポフは、かつてはロシア・ボリショイ交響楽団で主席を務めた天才指揮者だった。
ある日、清掃中にアンドレイは、1枚のFAXを目にする。
それは、演奏を取りやめたサンフランシスコ交響楽団の代わりに、パリのプレイエルに出演するオーケストラを2週間以内に見つけたいという内容だった。
その瞬間、彼は、かつての仲間を集めて偽のオーケストラを結成、ボリショイ交響楽団代表としてパリに乗り込むことを思いつく。
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メラニー・ロランは、ヴァイオリニストとして、長いブロンドの髪を束ねずに登場します。
サーシャ・グロスマンが、メラニー・ロランに出演を懇願しに行く際にも、窓からの陽光を受けて、そのブロンドの髪と白い肌が美しく浮かび上がります。
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クライマックスのオーケストラの本番シーンでのメラニー・ロランは、その美しい髪を束ねて、前髪を少し垂らして登場します。
ヴァイオリンを弾く姿は、チャイコフスキーの音楽も相まって、美しさを増します。
美しさがさらに増すのは、メラニー・ロランがうっすらと涙を浮かべ、左目が乱れた前髪で隠れるときです。
それまでのメラニー・ロランには、世間知らずの過保護なヴァイオリンの優等生の印象が強いのですが、ここではアレクセイ・グシュコフを父だと確信を持ち、亡き母の悲劇へ思いを馳せ、落涙します。
メラニー・ロランの右目の涙は、単に造形的に美しいだけでなく、そんなメロドラマの装置としても機能しているのです。
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女性ヴァイオリニストと言えば、かのジャン=リュック・ゴダールの『カルメンという名の女』を思い出させます。
そこでのミリアム・ルーセルの美しさは、この世のものとは思えないほどでした。
いつか取り上げたいと思います。
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