本日4月14日はジュリー・クリスティの生誕84周年です。それを記念して彼女の作品を紹介します。


ジュリー・クリスティ/Julie Christie

  • 1940年4月14日生まれ。
  • 父の紅茶プランテーションで8歳までインドで育つ。
  • ロンドンのセントラル演劇学校で学び、やがてTVから舞台へと進出。
  • ジョン・シュレシンジャー監督の作品に出演、その時の演技力を見込まれて1965年の『ダーリング』に抜擢され、アカデミー主演賞を受賞。
  • 以降『ドクトル・ジバゴ』、『華氏451』、『遥か群衆を離れて』、『ギャンブラー』と続けて熱演。
  • 1975年の『シャンプー』での大胆なセックス・シーンは、当時話題になった。

『恋』(1971)
監督 ジョセフ・ロージー
共演 アラン・ベイツ、ドミニク・ガード、マイケル・レッドグレーヴ、マーガレット・レイトン、エドワード・フォックス、マイケル・ガフ
撮影 ジェリー・フィッシャー

【あらすじ】
イングランド東部ノーフォーク州。上流階級の友人マーカスの広大な屋敷でひと夏を過ごすことになったレオ。
彼は屋敷に住む年上の美しいひとり娘マリアンに淡い恋心を抱く。
ある日戦争で頬に深い傷を負ったトリミンガム子爵が屋敷を訪れた。
実はマリアンはこのトリミンガムと婚約を交わしていたが、まだレオはそのことを知らなかった。
マーカスがはしかにかかり、遊べなくなったレオは一人で広大な敷地で遊んでいるうちに足を怪我する。
そしてこれをきっかけにレオは小作人テッドのマリアン宛の手紙を託され、テッドとマリアンの秘密の手紙の配達役となったが、ある日その手紙を盗み読みする。


ジョセフ・ロージーの映画では、女優は醜く描かれます。
それは『光る君へ』のようなひどい照明による醜さではなく、髪形や衣裳の出鱈目さによります。

とりわけ、『夕なぎ』でのエリザベス・テイラーの異様な髪形は、映画史上を類を見ないものでしょう。
また、『唇からのナイフ』でのモニカ・ヴィッティの衣裳や、『人形の家』のジェーン・フォンダの帽子、デルフィーヌ・セイリグの髪形もそうです。

いずれも花魁やフランスの貴族たちを思わせる、高い盛りと、かんざしのような装飾の過多により、キッチュなバロックのような「美学」です。
むろん、ロージーの演出上での仕掛けです。


ただ、そうした醜さとは別に、オーソドックスな美女も登場します。

『夕なぎ』のジョアンナ・シムカス、『エヴァの匂い』のヴィルナ・リージ、『秘密の儀式』のミア・ファローなどは、美女のカテゴリーに入るのですが、決して心の美しい女性としては描かれておらず、醜いたくらみをもった存在として登場します。
(参考:蓮實重彦のジョゼフ・ロージー論)


そのように、ジョゼフ・ロージーの作品は、女性に対する愛憎からか、異様な歪みをもって、女性たちが描かれます。
映画の黄金時代が過ぎ去ったあとでは、きわめてまっとうな姿勢であるように思います。
ファッションやヌードやセックスといった、映画の感動と何の関係もないギミックとは違うのです。


さて、この『恋』でのジュリー・クリスティも、同様の醜さをもって描かれます。

先の分類でいえば、後者の「オーソドックスな美女」のカテゴリーです。
イギリスの貴婦人らしく、顎の下までハイネックのブラウスをまとい、豊かなブロンドヘアに、花を飾った帽子をかぶっています。

しかしながら、ジュリー・クリスティは、自らに恋をしているレオ少年を、アラン・ベイツとの伝令(原題の"Go-Between")として利用しながらも、表向きにはアラン・ベイツなんて会ったこともないような顔をする、表裏のある存在として描かれます。
レオ少年は、最後には激しく裏切られ、成人してからは、マイケル・レッドグレーヴが演じるレオは、不義の子への伝令までやらされるのです。

 

























だまされたことを信じまいとしながらなお信じまいと信ずることを確信しえないマイケル・レッドグレイヴの、あの犬になりそこねた犬のような表情の向う側に、繊細であることしか知らぬ自分自身を真綿でくるんで何とか傷つけまいとするロージーのひたむきなまでの子供じみた顔と身振りが透けて見えてしまうので、作家とは、ということはここでは男とはということと同じだが、その生涯の栄誉ある完成期にさしかかりつつあってもなお、かくも壊れやすくけなげなまでに幼くある湿った存在たりうるものかと驚嘆し、また感動しもしてしまう。
(蓮實重彦)



そんな残酷な女性像を、イギリスの田園や裕福な邸宅の中に据えて、ジュリー・クリスティの美しさとともに撮ってしまったこの作品は、胸が痛む感動を与えてくれます。

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