6月18日に、フランスの女優アヌーク・エーメが逝去しました。
ここに、追悼の意を表し、彼女の作品について再掲いたします。

2024年3月30日投稿


シャネルの2024-25年秋冬のコレクションショーの短編ムービーに、ペネロペ・クルス&ブラッド・ピットが演じる『男と女』が登場したとのことです。

 







 

(この投稿の最後にELLEオンラインからの抜粋記事を引用します)

そこで本日は、オリジナルの『男と女』を取り上げたいと思います。

 

『男と女』(1966)
監督・撮影 クロード・ルルーシュ
共演 ジャン=ルイ・トランティニャン
音楽 フランシス・レイ

【あらすじ】
パリで一人暮らしをするアンヌとカーレーサーのジャンは、ドーヴィルにある同じ寄宿舎に娘と息子を預けていることから知りあい惹かれあった。
しかし、いまだ辛い過去を忘れられない二人は……


『男と女』は、同時代のヌーヴェル・ヴァーグの作品と近いようで、大きく異なります。


女優についていえば、ヌーヴェル・ヴァーグのミューズと言えば、『勝手にしやがれ』(1960)のジーン・セバーグや、『気狂いピエロ』(1965)のアンナ・カリーナが思い出されます。
当時、ジーン・セバーグは22歳、アンナ・カリーナは25歳です。
それに対して、『男と女』のアヌーク・エーメは34歳でした。一世代違うのです。
どちらがいい悪いではなく、『男と女』は大人の映画なのです。


撮影のスタイルは、一見、スタジオから出てのロケーション撮影、即興演出という点も似ています。

しかし、実は、『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』をはじめとしたヌーヴェル・ヴァーグの監督たちは、かなり手堅い撮影をしています。
ハリウッドの巨匠たちに比べれば、粗っぽいのは確かなのですが、それでも撮影監督がラウール・クタールというゴダールより6つも年上の経験者が担当をしており、全くの素人撮影などではありません。

一方、『男と女』は、監督も撮影監督もクロード・ルルーシュが務めています。
その撮影方法は、後に述べるように大胆で賛否両論を呼ぶものでしたし、ここではその評価は差し控えておきます。


さて、こうした衒学的な話はさておき、『男と女』の最大の魅力は、アヌーク・エーメにあります。

その彫りの深い美貌とシックな衣裳については、改めて言うまでもありません。

 









 

アップの撮影はいいのですが、それ以外のシーンでの撮影は残念ながらいまひとつです。


例えば、オープニングクレジット途中での、アヌーク・エーメが娘を連れてパリの街中で買物をするシーン。
アヌーク・エーメの顔はいまひとつ捉えがたく、彼女の髪が顔にかかることも多く、彼女の顔が見えづらいです。

 






他にも、車の助手席にいるアヌーク・エーメが前から撮られるシーンや、ラスト近くのホテルのレストランでトランティニャンと向かい合わせでテーブルに座ってメニューを選ぶシーンでも、同様のことが言えます。


手持ちカメラで、絶えず画面はブレていますし、ピントもしょっちゅうぼやけます。

そうしたブレやボケが、意味があるようで意味が無いのが、残念なところです。





















しかしながら、

アヌーク・エーメの女優としての素晴らしさは、クロード・ルルーシュの拙い撮影など凌駕しているように思います。
 

撮影で構図が決まっていなくても、そこからアヌーク・エーメの魅力は漏れて出てきます。

 

とりわけ、ホテルでの逢瀬が終わり、お互いの心が離れ、2人ともパリへ帰らないとならないのですが、トランティニャンは車、アヌーク・エーメは鉄道で、バラバラにパリへ帰るシーン。

 

アヌーク・エーメは、ベッドで煙草を吸い、化粧室で髪をとかし、物憂げに列車に乗り込みます。

 

「立っているだけで絵になる」という言葉は、まさに、ここでのアヌーク・エーメのためにある言葉です。

 

この圧倒的な存在感は、同時代のアンナ・カリーナや、ジャンヌ・モローにも通じるところで、おそらく、カトリーヌ・ドヌーヴ以降の女優では、残念ながらほとんど実現出来ていないように思います。













 

以下、ELLEオンラインからの抜粋です:
 

パリで発表された「シャネル」2024-25年秋冬 プレタポルテ コレクションショーで話題をさらった短編ムービー。ペネロペ・クルスとブラッド・ピットが運命の恋人役で出演し、ドーヴィルを舞台にしたコレクションのオープニングをロマンチックに彩った。

この短編ムービーは「シャネル」を象徴するアイコニックなハンドバッグの広告キャンペーンで、クロード・ルルーシュが手掛けた傑作『男と女』(1966)の一場面に、オマージュをささげて制作したもの。2018年から「シャネル」のアンバサダーを務めるペネロペ・クルスと、ブラッド ピットを起用し、映像のみならず、セリフもほぼ一言一句、見事に再現した。

アーティスティック ディレクターのヴィルジニー・ヴィアールはこれまでずっと、映画、特にヌーヴェルヴァーグに熱い想いを抱いており、クロード・ルルーシュが手掛けた傑作に敬意を表したいと考えていたという。

映画『男と女』の愛がほとばしるシーンで、アヌーク・エーメが持っていたのも「シャネル」のハンドバッグ。

クロード・ルルーシュによる『男と女』に登場するハンドバッグは、実はアヌーク・エーメの私物で、彼女はスクリーンの中でもプライベートでも「シャネル」を愛用していたそう。

ホテルのレストランのテーブルの上、車のボンネットの上――男と女の間に置かれたバッグが象徴しているのは、心の奥深くにある欲望をあらわにする勇気を与えてくれるもの。人生で最も大切な感情のひとつ、恋に落ちる特別な瞬間に必要なのは、お守りのような存在で、このバッグを味方につけることで人生のヒロインになることができるのかもしれない。

「今夜のお部屋は空いているかしら?」

映画でこのセリフを口にしたのは、ジャン=ルイ・トランティニャンだったが、今回の渾身のリメイク版では、ペネロペ・クルスがウェイトレスに尋ねる。胸が高鳴るような欲望を象徴するセリフをペネロペが発した瞬間、大胆さや自由であることの大切さ、恋の素晴らしさといったガブリエル シャネルのレガシーを感じ取ることができる。


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