Netflixでも、シーズン3が配信された『ペントハウス』と主演女優のイ・ジアについて紹介いたします。

 

『ペントハウス』シーズン1~3
製作 SBS
演出 チュ・ドンミン
脚本 キム・スノク
出演 イ・ジア、キム・ソヨン、ユジン、オム・ギジュン、ユン・ジョンフン、ポン・テギュ

【あらすじ】
セレブたちが暮らす超高層マンションのヘラパレス。
パーティーが開かれた夜、ある少女が高層階から転落するのをペントハウスに住むシム・スリョンが目撃する。
事件は2か月前、声楽家になる夢を絶たれ今は不動産仲介の仕事をしているオ・ユニと、高校時代にユニのライバルだった声楽講師のチョン・ソジンがユニの娘を通して再会したことに端を発する。
ヘラパレスには、スリョンの夫でソジンと浮気中のチュ・ダンテ、ソジンの夫で医師のハ・ユンチョル、弁護士のイ・ギュジンもそれぞれ子供たちと優雅な暮らしをしていたが、その生活の裏で秘密の行動をする大人たちと、わがまま放題に育った子供たちによって、ユニ親子の生活は一変していく。
果たして少女の転落事件の真相は明かされるのか、そしてヘラパレスの住人たちとユニ親子の運命は―!

 


典型的なマクチャンドラマ(ジェットコースター的な展開劇)と言われています。
脚本は『妻の誘惑』 (2008)、『私はチャン・ボリ!』(2014)、『皇后の品格』 (2018)で知られるキム・スノク。

また、俳優たちの怪演も話題になり、かの『アイリス』(2009)の北朝鮮工作員役だったキム・ソヨンが2021年の百想芸術大賞で最優秀演技賞を受賞しました。


テーマとして導入されているのは、飽くなき欲望(贅沢、不倫、美食、タワーマンション、不動産売買、財団、賄賂、人身売買、政治家との癒着)、貴族的なものへの憧れ(オペラ、フランス貴族の真似、噴水、花火)、子供たちの腐敗(いじめ、暴力、嫉妬、不正入試、捏造、カンニング)、貧困層からの逆襲(復讐、暴力、拘束、脅迫)、古典的な母娘愛(捨て子、反抗、離反、和解)、その他お涙頂戴テーマ(シングルマザー、貴種流離譚、孤児、兄弟愛、ペット、人情、毒親)。

こうしたテーマをシャッフルして、順列組合せで並べ替え、キャストにマッチさせて、3つのシーズンで46話という長さながらも、飽きさせずに視聴者に刺激を与えます。

同様に富裕層のハイライフと受験戦争を扱った『SKYキャッスル』(2018)が手ぬるく映るほどです。
(SKYはソウル大学/延世大学/高麗大学の頭文字でしたが、ここでは空(sky)に届くほどの100階建てのマンションを舞台としています。)


近年のアメリカ映画の刺激的かつ煽情的な作品と異なるのは、スペクタクルが皆無に近いということです。
唯一出てくるタワーマンションにしても、CGの合成で、背景として用いられるだけです。
近年の映画で必ずかぶせられる不快なバスドラの効果音もほとんどありません。

スペクタクルや重低音の効果音が排されて、そのかわり強調されるのは人間関係です。
人間関係に始まり、人間関係に終わります。

その人間関係のドラマは、『冬のソナタ』以上に絶対にありえないような展開や細部のこじつけに溢れており、演出家や脚本家のニヒルな認識が伝わってきます。
俳優の演技やセットは全て偽物(フェイク)であるというような諦めが感じられるのです。


100階建てのタワーマンション、金と不動産と名誉のことしか考えない親たち、有名音楽大学を志望しているのにもかかわらず陰湿ないじめを行う子供たち、全てが、故意に過剰に露悪的な演出となっています。
親たちが、似合いもしない中世貴族の衣裳を着てタワーマンション内でパーティを行うシーンがその極致でしょう。
キム・ソヨンは、何度も目を剥いて怒りを表明し、机の上のものをぶちまけ、物をたたき割り、投げつけます。

その意味で、富裕層の腐敗という社会派ドラマであると同時に、壮大な喜劇ともなっており「さぁ、この過剰な演出や演技に笑って頂戴」というメッセージが感じられます。


さて、ヒエロニムス・ボスの絵画のような、全員が喜劇役者であったり露悪的な演技をしていたりする中、唯一ほっとするのが、イ・ジアです。

柔らかな光に包まれた、彼女の浮遊感と透明感が、このマクチャンドラマ最大の美徳です。



イ・ジア
이지아 / 李智雅 / Lee Ji A

  • 1981年2月2日 韓国ソウル市生まれ
  • 小学生のときに米国へ移住。
  • パサデナ・アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン美術大学在学中に『太王四神記』(2007)のオーディションを受け、ハ・ジウォンやキム・テヒなどの有名女優を押しのけ、高倍率のオーディションを勝ち抜きスジニの役を得て、ペ・ヨンジュンと同じ所属事務所BOFと契約を結んだ。
  • 2007年 MBCドラマ賞では、最優秀新人女優賞、ベストスター賞、ベストカップル賞の3つの賞を受賞。
  • 2008年 第44回百想芸術大賞新人賞受賞。
  • 2016年 BHエンターテインメントに移籍。


その素晴らしい美貌、パンツルックの多いスレンダーな立ち姿は、韓国ドラマ界において、ハン・ソヒと並ぶのではないかと思う程です。わずかに厚ぼったい開いた唇と、揺れるロングヘアは、フォトジェニックです。


その一方で、ソン・イェジンのような見事な「泣き顔」も披露してくれますし、微笑も実に柔らかく、静謐ささえ感じさせます。

切れ長の瞳の涼し気な様子は、ケイト・ブランシェットを思わせます。

 

その潤んだ瞳を映し出す照明は、実に見事です。

『ペントハウス』が室内のセット撮影だけで完結できているために、丁寧な撮影が出来ているのだと考えます。

 ※ただ、キム・ソヨン、ユジンは全く美しくありませんが・・・



















※写真はシーズン3の第3話~第8話から

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