本日3月14日は、栗原小巻の生誕79周年です。
それを記念して彼女の作品を紹介します。


栗原小巻

  • 1945年3月14日東京都生まれ
  • 東京バレエ学校卒業。
  • 俳優座養成所に進み、在籍中にテレビドラマ『みつめいたり』主人公和歌子役に抜擢。
  • 1967年 『ゴメスの名はゴメス・流砂』で映画デビュー。
  • 1967年 NHK大河ドラマ『三姉妹』末娘お雪役で脚光を浴びる。 
  • 1968年 舞台『三人姉妹』イリーナ役で初舞台。
  • 1972年 映画『忍ぶ川』の演技で毎日映画コンクール主演女優賞等を受賞

 

『忍ぶ川』(1972)
監督  熊井啓
撮影 黒田清巳
美術 木村威夫
共演 加藤剛、滝花久子、山口果林

【あらすじ】
料亭“忍ぶ川”で知り合った哲郎と志乃。
哲郎は“忍ぶ川”の看板娘である志乃に一目惚れし、以来“忍ぶ川”に通い詰める。
やがて、二人はお互いの身の上をも話し合う仲となっていく……


三浦哲郎による自伝的な内容の小説を映画化したこの作品は、事件が希薄です。
栗原小巻の父が亡くなるのですが、悲劇と言うよりも、栗原小巻の夫なる加藤剛が生前の義父に会えたというポジティブな側面があります。
主人公の加藤剛の兄が失踪したという挿話がありますが、それも回想として語られております。


現在進行形で進行する物語は、栗原小巻が加藤剛と知り合い、望まぬ婚約者との婚約を止め、加藤剛を選び、秋田へと嫁いでいくという、ハッピーエンドとまでは行かないのですが、波瀾万丈さとは無縁の物語です。
ラストシーンの列車の中のシーンも、温泉行きという穏やかさが包み込んでいます。


この作品は、スター栗原小巻のヌードシーンが注目されることが多いでしょう。
実際、ヌードシーンは決して下品なものではなく、モノクロームの画面に丁寧な照明が当たっていることもあり、日本映画の黄金期の残滓を感じることが出来ます。






しかし、ヌードシーンよりも、私たちが魅了されるのは、栗原小巻の微笑みでしょう。

 

冒頭近くの料亭忍ぶ川の暖簾を分けて登場する栗原小巻には目を奪われます。

和服を着ているものの、ここでの栗原小巻のイメージは、現代でもてはやされる可愛らしさにも通じます。
ハイキーでの撮影が、いにしえの日本映画の陰翳と無縁であることも大きいでしょう。













栗原小巻の繊細な二重のえくぼ、たおやかな太い眉、そして、意志の強さを宿しているかのような黒くて大きい瞳。

その瞳は、父と別れ、加藤剛との愛を育む過程で、しばしば悲しみや喜びで潤います。
 

栗原小巻の視線は、この映画の中にあって、物語を牽引する重要な役割を果たしており、映画を観るとはそうした映像と物語との有機的な結びつきを観ることだと再認識させられます。


























 



 

舞台での活動の多かった栗原小巻ですが、1950年代~60年代の日本映画黄金期に間に合っていたら、多くの作品で活躍出来ていただろうと思います。


製作は、栗原小巻が養成所に在籍していた俳優座です。
1970年の大映倒産とともに、斜陽期になった日本映画を、俳優座のような機関が辛うじて支えていたのです。

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