6月17日のシド・チャリシーの没後16周年を記念して、彼女の作品を紹介します。

 

シド・チャリシー/Cyd Charisse
1922年3月8日 - 2008年6月17日
テキサス州アマリロ生まれ

  • 8歳の頃からバレエを習い、12歳でニコ・チャリシー主宰のバレエ学校に入学。
  • 16歳でニコと結婚。
  • 1942年に映画デビューを飾り、44年MGMと契約。
  • 1946年の『ジーグフェルド・フォリーズ』で本格デビュー。
  • 以降『雨に唄えば』、『バンド・ワゴン』、『ブリガドーン』、『いつも上天気』、『絹の靴下』などに出演してスター街道を進んでいく。
  • しかしミュージカル衰退と同じくして人気も低迷。
  • 1958年には『暗黒街の女』でイメ・チェンを図るが成功はしなかった。
  • その後は、再婚したトニー・マーティンと共にラスヴェガスのナイトクラブなどに出演。

 

『絹の靴下』(1957)
製作 アーサー・フリード
監督 ルーベン・マムーリアン
共演 フレッド・アステア
撮影 ロバート・ブロンナー

【あらすじ】
ソビエトの作曲家ボロフは、ソ連芸術を示す演奏会にパリへ派遣されてきたが、いつか花の都の情緒に溺れ崇高な革命思想も忘れる始末。
そんなボロフにアメリカの映画プロデューサー、キャンフィールドが、彼の作曲した音楽を使ってハリウッドの水着スター、デイトン主演の映画を作るため5万ドルの権利金を払おうと申し出た。
一方、いつまでも帰らないボロフを呼び戻すためソビエト政府は3人の共産党員パリに派遣。
ところが、この3人もパリ美人にうつつを抜かしてミイラ取りがミイラになる有様。
そこでソビエト本国は調査のためにニノチカという忠実なる模範共産党員を更にパリへ派遣したよこしたが---。

 

かのルビッチによる傑作コメディ『ニノチカ』(1939)をリメイクしてミュージカル化した作品です。
ハリウッドの絶頂期の1939年のルビッチの作品は、人類の至宝というべきものであると考えれば、それにかなう訳がありません。
そう考えると、よくぞ善戦している作品です。


58歳になるアステアのキャリア末期の作品でもあります。

オードリーとの『パリの恋人』も同年ですが、ダンスは素晴らしいとはいえ、パリの恋の達人の役としては、やや難があります。
これも、『ニノチカ』のメルヴィン・ダグラスと比べること自体が酷であって、そんな無粋な指摘をするより、高齢のアステアが、シド・チャリシーというパートナーを得て、キャリア最後に花を飾ろうとしていると言うべきです。

 



更に言えば、3人組も、『ニノチカ』のシグ・ルーマンやフェリックス・ブレサートが余りにも素晴らしかったし、驚くべきことに、ソ連の長官はベラ・ルゴシだったのです。
そうしてみれば、ドイツ映画で活躍し、ハリウッドで長年活躍した名優ピーター・ローレが顔を出してくれていることに感謝をせずにはいられません。


さて、『ニノチカ』に対してこの作品がはっきり優位に立てているのは、シド・チャリシーのダンスです。
『ニノチカ』のガルボは、そのコメディエンヌとしての隠れた才能を見せてくれたのですが、ミュージカルダンサーではありませんでした。
ここでのシド・チャリシーのダンスの素晴らしさは、この作品の唯一とも言うべき美点です。


白眉は、パリのホテルの部屋をしっかりと施錠し、窓を閉めて、シド・チャリシーが絹の靴下をそっと取り出すシーンでのダンスです。

先立つシーンで、シド・チャリシーは、ショウウィンドウにある絹の靴下を見て、同士たちの手前「こんなものを身に着ける文明は堕落する」と唾棄していたのですが、本当はこっそり手に入れていたのです。

シド・チャリシーは、椅子の下からそっと絹の靴下を取り出し、踊りながら、それまでの人民服や黒い革靴を脱ぎ捨てます。
クローゼットで靴下を履き替えたあとは、バレエのポーズをしながら、インナーを脱ぎます。
ペチコートとスリップになり、豪奢なブレスレットやイヤリングをつけ、長い半透明のフレアスカートを履き、あたかもそれがチュチュであるかのように、ピルエットを披露します。
最後は、スカートを履き替え、白いヒール靴を履き、くるりと回って、古い黒の靴下を捨てるのです。

 






















このシーンは、『雨に唄えば』のブロードウェイ・メロディのシド・チャリシーに匹敵するシーンです。

ミュージカルは、楽しさや高揚感の芸術ですが、ここでのシド・チャリシーの踊りは、そうしたミュージカルの美学とは別の、華麗で官能的なエレガンスであり、他に見たことがありません。
















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